津々堂のたわごと日録

爺様のたわごとは果たして世の中で通用するのか?

在宅願

2007-06-13 19:32:44 | 歴史
 細川藩には「在宅」という制度がある。家臣には居住地の制限があるが、「財政が苦しい場合に、地方へ行ってそこで一時的に生計を立て直して熊本へ帰る」という仕組みであると、松本寿三郎先生の解説がある(新・熊本の歴史4・さむらいの世界)。細川家の知行取りは約1,000人と言われるが、その1/4程の家臣が地方に在宅したという。新熊本市史には「在宅願頭書」というものが約170余件ほど掲載されており、現在その個々の情報を侍帳に転記している。これは各家の「手元不如意」を明らかにしようというのではなく、年月が確定されていて人々の動向が窺い知れるからである。又地方在宅の人が役をえて熊本へ呼び返される「引出」というものがあることが分かる。つまり役を得た年月が特定できる訳だ。多岐にわたる情報をえて、侍帳が複雑怪奇なものになりつつある。現在六割方完了。
コメント (2)
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