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以下の詳細は笠間書院のサイトから引用。
A5判・並製・カバー装・400頁(予定)
定価:本体4,800円(税別)(予価)
戦乱の世を疾駆した武家文化人、
細川幽斎(一五三四〜一六一〇)
のすべてを再検証し、新たな幽斎像を提示する書。
没後400年記念出版。
付・細川幽斎年譜。
【はじめにより】
慶長十五(一六一〇)年、当代きっての武家文化人として世評の高かった細川幽斎は、静かに京都三条の自邸で息をひきとった。幾つかの記録に、その死のみが伝えられる、ひっそりとした最期であったようだ。
以来、永らく文学史において幽斎は、微妙なニュアンスを含んだ「古今伝受の歌人」であり続けた。だが、没後四百年に近づく中で、この歌人について多くの知見が学界にもたらされるようになった。
古今伝受研究もその実態の精密な考証が進み、また一方、幽斎その人についても、近世和歌への連続から見た新たな和歌史上の定位がなされつつある。それにともない、逆に未着手の課題が顕在化してきた。機は熟したといってよい。
幽斎像の再検証。まず手をつけるべきは、「文」の面「武」の面の統一的把握。そのためには、文学研究、歴史学研究双方からのアプローチが必須だ。その方法として、鳥瞰的な把握と、多様な具体的諸側面からの照射という二つの視点をとる。そこに幽斎は新たな息吹をえて蘇るはずだ。
学界は無論のこと、広く戦国時代の文化に関心を寄せる読者に向け、ここに新たな躍動する幽斎像を提示することとなろう。
【目次】
Ⅰ 戦塵の中の人生
細川幽斎--人と時代●小川剛生
足利将軍直臣としての細川幽斎●山田康弘
Ⅱ 和歌と歌論と
衆妙集冒頭の百首歌について
--成立・異伝・表現●浅田 徹
幽斎の歌論
--名所ならぬ所の和歌の詠み方●大谷俊太
『詠歌大概聞書』試読
--講釈の論理を追って●鈴木 元
細川幽斎と古今伝受●海野圭介
Ⅲ 芸能と有職故実
細川幽斎連歌序説●長谷川千尋
細川幽斎と能●大谷節子
細川幽斎と武家故実●末柄 豊
Ⅳ 古典学の世界
細川幽斎の伊勢物語注釈
--『伊勢物語闕疑抄』の達成●青木賜鶴子
細川幽斎はいかに源氏物語を読んだか●徳岡 涼
百人一首『幽斎抄』編纂前後
--三条西家和歌註釈の行方●鈴木 元
幽斎の兵部大輔藤孝期における典籍享受●森 正人
Ⅴ 近世への展開
細川幽斎の狂歌●高橋喜一
細川幽斎の紀行
--もう一つの紀行紹介への布石●鶴崎裕雄
細川幽斎と徒然草
--『墨池』所収色紙について●川平敏文
幽斎(学)の享受●西田正宏
細川幽斎年譜●稲葉継陽・徳岡涼編
索引