『肥後藩参百石 米良家』の著者・近藤健氏が、 Coffee Break Essay に「とても長いあとがき」と題して一文を残しておられる。
八年に及ぶご苦労を経て、御先祖様の一族の歴史が見事によみがえった。いささかのお手伝いをした人間として、その過程をつぶさにみてきただけに、あとがきにあるそれぞれに胸を打たれる。当方に対しても過分な御言葉を頂戴して、いささか面はゆい感じではある。
私も現在、子供たちのために先祖のことを書き残しておきたいと思い筆を進めているが、なかなか前に進まない。
改めて父や母・姉のことを書こうとしても、すべて幽明を異にした今となっては知らないことが多すぎることに愕然とさせられる。
近藤氏の見事なお手本には対抗すべき術もなく、最初から白旗を掲げて気楽にいこうと思っているが、改めて先祖のお墓をしらべたり、遠戚の家系を調べたりしていると瞬く間に時間が流れ去っていく。しかしながら、これらの作業は心ゆたかにさせられるものであり、いま自らがこの世に存在する有り難さを実感させられている。近藤氏の八年間に及ぶご苦労も、まさにこのような御気持ではなかったかと推察している。
皆様に於かれても是非ともチャレンジされることをお勧めする。