数日前から次回の史談会で使う史料「大矢野家文書」を読んでいる。いわゆる小西行長が加藤清正の助勢を得て、志岐麟泉を首領とする天正の天草の戦いの顛末である。ここに清正が大矢野家に遣わした書状(写)がある。○で囲んだところに 噯 という字が見える。
「噯」と判明するのに数時間を要したのだが、当初は「口偏に登」という文字「噔」ではないかと考えた。これでも意味が通じない。崩し字では「登」と「愛」はよく似ている。くずし字辞典を目で追っていたら「噯」の文字に出くわしたのだが、この文字は「おくび」と読む。とてもこの文章にはそぐわない文字ではないか。
文章とにらめっこをしていると、頭に「取」という文字があり文章の流れからすると「取扱い」かなと思うのだが、なんとも難解な文字である。
神頼みならぬWEB頼みで検索を懸けると、・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・あった。
OCTAVE: 取噯 というサイトがあって、正解を教えてくれた。ここにもあるように、思いもかけないことである。やはり「取りあつかい」だった。
「おくび」がなぜ「あつかう」となるのか、どなたかご存じあればお教えいただきたい。古文はなんとも奥が深い。