津々堂のたわごと日録

爺様のたわごとは果たして世の中で通用するのか?

拾遺和歌集から

2013-09-13 06:41:45 | 史料

これは過日オークションで手に入れた「御先祖御由来・全」の表紙裏に書かれていた和歌である。
この冊子には「家村蔵書」なる朱印が押されているが、書写した人物のについては、最末尾に 天保九戊戌年三月日写之 (花押)と有るが人物の特定に至るヒントはない。
何方の筆によるものかといろいろ調べていたら、末尾にやはり朱書きで 長岡佐十郎どの 図書便 とあった。筆跡は一緒である。この和歌は図書なる人物が書いたものだろう。図書を名乗る人物で時代から推定されるのは、刑部家八代・興礼(信次郎)の可能性が高い。
佐十郎どの なる人物が同一人物である可能性もあるが、これはなんとも判らない。 

さてこの和歌
                    者類堂川といふ計にや
                             三吉野ゝやま毛
                                霞帝今朝ハ
                                    見ゆら舞              とある。

調べてみると拾遺和歌集・巻一の壬生忠の歌であることが判明した。

                    はるたつといふ計にや
                             三吉野の山も霞て
                                   今朝はみゆらむ 

謎解きの楽しい時間であったが、佐十郎なる人物を特定することが次の課題である。

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