7月26日(土)午後2:00から熊本市立図書館で催された熊本歴史学研究会の講演会「熊本城惣構と高麗門--濫妨狼藉と城の機能」を拝聴に出かける。
講師は熊本大学・永青文庫センター長の稲葉継陽教授である。沢山の出席者で賑わっうなか、我々会員外の外様者も歓待していただいた。
具体的に「熊本城惣構と高麗門」についてのお話かと思っていたら、話はクラウゼビッツの「戦争論」からはじまった。いささか面喰ってしまったが、話は縦横無尽で、「雑兵物語」での足軽たちの働きぶりや、足軽たちの拉致や略奪が正当化されていたことを示す種々の史料等が紹介される。
ちいさな城も土塁や堀を廻らせて小さな村落を取囲み、土民の安全を目的にしたことを絵図などを示しての説明である。
講演の主題である「熊本城惣構と高麗門」は、九州新幹線・在来線の高架化に伴う高麗門周辺や御成道の発掘調査に伴い発刊された「熊本県文化財調査報告書 第303集」に添うものだが、改めて見直されている「高麗門」の熊本城惣構の中での重要な位置づけへと導かれた。
約2時間余、質疑応答の活発さもこの会の歴史への意識の高さを伺わせていた。
私はこの報告書が予算不足とかで発行部数が少なく手に入れることが出来ない状況を苦言として申上げた。たいへん有意義な時間をすごさせていただいた。感謝。