宇土の殿様伯耆(名和)左兵衛顕孝公は、宇土市の名物「小袖餅」に関わる殿様で、その由来がまんが日本昔話の「孝行娘」で一躍全国区になった人である。
ここで取り上げるのは、殿様の妹御のおはなし・・・
言葉争ヒあつて
合志伊勢守隆重の妻は、伯耆(名和)左兵衛顕孝の妹で大変な美女であるとともに、大きな茶臼をもって二三篇廻って見せる位の大力の持ち主だったそうだ。隆重とのあいだに「言葉争い」があり原因は「妬よ里」で夫婦喧嘩が起こったというわけである。
「妻女は夫たる人を捉え柱の礎石を引き揚げてこれに敷こうとしたが、隆重がわび」て決着、後に実家(宇土・伯耆家)に帰ったと記されている。
無念に思った妻女は「緑川に入其魂大蛇と成」とあるから、入水したという事だろう、その後合志家にたたり、「普(あまね)く人も知る」ことになったと伝えている。
こわいですね~こわいですね~。御兄さんの和やかな話とは大違いです。
小袖餅