天正七年己卯正月元旦の発句 あすと思ふ春やけふさへ朝霞
天正八年庚辰 同 春といへば雪さへ花のあしたかな
天正九年辛巳 同 きのふたつ春やむかしの雲霞
天正十一年癸未正月元旦の発句 道しるといふばかりなる今年かな 知命の歳(50歳)
天正十三年乙酉正月八日(立春)発句 立そはむ春の日数や八重霞
天正十四年丙戌正月十五日(立春)発句 まつ立つや十日あまりの春霞
天正十五年丁亥正月元旦の発句 去年たちし春もけふこそ朝霞
天正十六年戊子正月の発句 む月たつけさやきのふの春霞
天正十七年己丑 同 としは越ぬけふ鶯の関もなし
天正十八年庚寅正月元旦の発句 吾妻路も手にとる春の霞かな
天正十九年辛卯 同 としといひて春もむかへし今年哉
文禄二年癸巳正月元旦の発句 たび衣はるをうらやむことしかな
文禄三年甲午 同 百花の木のめもけふや春の雨
慶長元年丙申正月元旦の発句 としはこえぬ春立までや八重霞