連日寒い日が続いているが暖房の風が不得手な私は、大いに着込んで暖をとり、脱いだり着たりして調整をしている。
文政10年11月朔日の「惣月行事記録抜書」は、寒さに差向う中「一衣不着」の人たちに対する御救いに触れている。
しっかり頑張ってこのような状況から抜け出るようにと、苦言も呈している。
例年極寒ニ差向候得は各支配内一衣不着之ものとも不及飢寒候様ニ連年被取救來候処、
何之申分も無之有力達者之もの等第一衣不着ニ居候もの全銘々不心得故之事ニ付、夫
等之類ハ救不申候て其段被相達候様との儀ニ付てハ、委細天明八年及達置候通候処、
近年間々右体之もの有之哉ニ相聞、不心得之至第一風俗ニおゐて難相済事ニ候、根元
鰥寡孤独其外病者不具之類或ハ非常之災難等ニて一衣不着之其身之力ニ難及難儀之訳
ニ被対、御仁慈之筋を以取救候様ニ被仰付、其功を夫々被賞事ニ候得は取も直又上よ
り之御救ニ候処、右躰之もの如何相心得候哉、平日己か振捌ハ自由ケ間敷候ても被取
救候節ハ義理も恥も無之、剰人並ニ口を張居候など重疊不埒之至候間、以来右躰之者
有之段相聞ハ屹ト御吟味之上、町人末座ニ被仰付筈ニ候、若其上ニも心底不相改産業
不心懸にて徒らニ日を送り候者ハ一統風儀之妨ニ相成候間、猶稠敷被仰付筋も有之候
間、其旨能々相心得候様、常々各以下役脇より之教示ハ不及申、五人組なとよりも無
油断心を付、気立能成立産業心懸救を受不申程之自分ニ相成候ハヽ、其段達出有之次
第屹ト御褒美被下置筈候条、右之趣委しく申諭候様、町中一統可被達旨候、以上
十一月朔日 町方根取中
渡辺甚三郎殿
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朱書きした「振捌」は何と読むのだろうか、インターネットも効力を発してくれないが「振りさばく」か?
棒手振り商売ということなのか。
実は現在あるお宅の先祖附けを読んでいるが、二男が「不法之振捌いたし候付」、監督不行き届きで注意を受けている。
武士の子が棒手振りすることもあるまいから、なにかを「売り捌いた」と理解しているが如何だろうか?
どなたかご教示給われば幸いである。