昨年11月5日で休んでいた「明和繁雑帳・會所舊記」を再開する。
八九〇
六十二
一麻木市皮朽拂方之事
此儀、何とそ懸目ニて拂方被仰付度奉存候、遠御郡之
儀は所ニより付出方餘計之人馬迷惑仕候ニ付、御鹽焇
方より荒仕子壹人被差出、焼方被仰付、灰之儀量目を
以相拂候様ニ被仰付被下度奉存候
[上ノ付札]「此儀、去申ノ年より懸目拂被仰付候事」
八九一
六十三
一鶏黒尾御割賦之事
此儀、野菜等専ニ仕候手永/\、又は屋敷畑狭所々鶏
飼候ては作を損申候ニ付、飼方仕不得、黒尾無他事御
座候ニ付、遠方をかけ買調相拂來申候、時ニより直段
高下も有之、下直之時分は尾壹本ニ付五文、高直之節
は三四分ニも調申候、遠方ニ調ニ罷越候ては隙費失墜
も有之、下方迷惑仕候、依之鶏飼不申所々ニは代銀迄
之通黒尾持出相拂可申候間、右之通被仰付被下度奉存
候
[上ノ付札]「此儀、先今迄之通可被相心得旨候事」
八九二
六十四
一麻木代 但、三尺縄一把ニ付壹匁宛
古猫伏代 但、五尺縄一■(扌偏にメ=締)ニ付貮匁宛 猫伏(ねこぶく、ねこぼく)藁で編んだ莚
右貮稜之儀、代銀被渡下候間切手仕出請取候様ニと、
御差紙ニ有之事ニ御座候得共、代銀之規矩相知不申候
ニ付、前々より受取候儀無御座候、夫ニ付、御代物之
御極方御知セ被下候様奉願候所々御座候處、私共存寄
相極可申上旨被仰付候ニ付、寶暦九年九月、右書上候
通代銀被下候様ニと、書付差上候御郡も御座候得
共、其已後如何様とも御達無御座候、何とそ相應之代
物被渡下候様有御座度奉存候
[上ノ付札]「此両條、懸目拂仕、代銀被渡下旨候事」
八九三
六十五
一熊本・河尻御作事所御船方御用之根引萱・葉萱・藤・
萩・黒茂枝、東樹御用之藁之事
此儀、御郡ニより御割賦被仰付候得共、何方も現拂仕
程ニ拵兼、都て町家之者を頼受負ニて相拂申來候、左
候得て餘計之損銀相立、御百姓共迷惑仕候、依之被為
叶御儀御座候ハヽ、御買上ニて相濟候様ニ被仰付次第、
勿論御買上之代銀御割賦被仰付次第、上納仕度奉存候、
尤右之内ニ近御郡は熊本御作事所御用之家萱直拂仕來
候ニ付、今迄之通相拂可仕候、然所、利境御算用前代
米受取切手ニ、時々拂切手相添差出申儀ニ御座候處、
右代米切手御作事所ニ相拂、必多度手付役人共差出、
三十日も四十日も懸り殊之外迷惑仕候ニ付、何とそ切
手調出候砌、早速相濟申候様ニ被仰付火下度奉存候
[上ノ付札]「此儀、前々より相極居候割賦拂々之品々之儀、容
易ニ難被改事ニ付、今迄之通相心得候様ニ可及達旨
候事」
八九四
六十六
一上小豆・白小麥之事
此儀、受負ニて右同断
八九五
六十七
一御馬飼料幷御飼鳥之餌御用之稗・小黍之事
此儀、遠御郡之儀は右同断
但、近御郡は今迄之通ニても支不申候
八九六
六十八
一葦北より河尻御船方幷御作事所拂蕨縄・草蕨之事
此儀、前々は御割賦被仰付、其後御割賦被差止置候處、
猶又近年御割賦被仰付相拂來申候、右蕨縄・草蕨之儀
遠方持越候ても、はね缺餘計ニ御座候て時々之拂方相
濟不申、度々相拂申候得共、遠方殊之外迷惑仕候儀ニ
御座候間、乍隙御割賦被差上被下候様ニ奉願度奉存候
[上ノ付札]「此三稜、右同断可被相心得候事」
八九七
六十九
一葦北より御年貢上納薪之事
此儀、前々より葦北郡え御割賦被仰付、高橋積廻御薪
方え相拂來孟候、然處、御百姓近方え仕立候木抱山は
年々剪荒、只今ニては二里三里を隔、一日壹人ニ付漸
壹束宛剪出申候様子ニて、殊之外迷惑仕候、御格之代
物之内より運賃等差引申候得は、御百姓共手前ニ受取
申分は、壹束ニ付四分餘之代物ニ當り、甚迷惑仕候間、
下方迷惑不仕様宜被仰付可被下候
[上ノ付札]「此儀、明和九年より減方被仰付候事」