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谷川俊太郎を、まぜっかえす

2024年11月24日 | 読書
 Re84『谷川俊太郎の 問う言葉 答える言葉』(イースト・プレス)。いわば「詩片」+「語録」という形の一冊。十章に分かれていて、そのなかに「年をとる」「死」も含まれる。もっともその篇には六十代の頃の記述が多いようだ。逝ってしまった後でも、そのコトバはずっと生き続ける。いったい、誰が死んだのか。


 「子ども」の章に心響く一節がある。「ぬかるみで遊ぶから、草原の上に立ったから子どもは喜ぶのではない、喜びはすでに子どもの身内にみなぎっていたのだ、ぬかるみや草原に足や手で触れること、すなわち世界に自分の肉体で触れることが喜びを目ざめさせ開放する、それはひとつの爆発だ。」大人の役割を知る。





 整理しようと思っていた2冊Re85『わらべうた』(集英社)Re86『わらべうた続』(集英社)を改めて読んだ(音読した)。「おならうた」「きりなしうた」のように、かなりポピュラーで記憶している作品も多い。しかし、改めて目を通すと、マザー・グースに似せたブラックユーモア的な詞も多くニヤリとしてしまう。


 声に出してみると、舌にころがる感じが心地よい。この辺りのセンスが他者を寄せ付けない遣い手である。「遊ぶことば」は谷川作品の、一つの核になっていること周知である。従ってこのシリーズが果たした役割は大きいだろう。発刊から半世紀過ぎても、中味は色褪せていない。活用される術は後の者が考えないと…。


 まぜっかえしのうた(「わらべうた続」より)

べつにってなァに かにかくに
かににあたって のたれじに

べつにってなァに ようするに
かたみにのこす あぶくぜに

べつにってなァに あんずるに
めやについてる おだいじに



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