読み聞かせのための絵本を立て続けに購入し、プチマイブームになっている著者のRe82『夕暮れのマグノリア』(安東みきえ 講談社)を読んだ。女子中学生を主人公とした連作短編的な小説。「マグノリアって…」と表紙を見れば想像がつくようなことも見逃してしまう読者なので、平易なYAはちょうどいいのかもしれない。
「世界は見えているものだけでできているんじゃない」というテーマ?に沿って物語は進む。今どきの現実にファンタジーを織り込みつつ、結構味わいのある展開だ。最終編の「夕暮れ時・たそがれ」について語りながら「異界」に触れる場面はドラマチックに感じ、想像する力を高める。平易といって侮れない。
以前から気になっていた新書Re83『「利他」とは何か』(伊藤亜紗・編 集英社新書)を読了。編者を含めた5名がそれぞれ一章ずつ担当し、専門的な分野からアプローチしている。國分功一郎「中動態から考える利他」と磯崎憲一郎「作家、作品に先行する、小説の歴史」は難解だったが、最後にぼんやり輪郭が見えた。
それは第一章で伊藤が記した「うつわ的利他」のイメージにつながる。「利己」と対照的に考えざるを得ない利他行動の本質を探るための手がかりになった。そこに連なる「利他は私たちのなかにない」「利他は行うのではなく、生まれる」という理解、感覚を頭の隅に置けば、自らの一挙一動の意味も明かされるだろう。
「世界は見えているものだけでできているんじゃない」というテーマ?に沿って物語は進む。今どきの現実にファンタジーを織り込みつつ、結構味わいのある展開だ。最終編の「夕暮れ時・たそがれ」について語りながら「異界」に触れる場面はドラマチックに感じ、想像する力を高める。平易といって侮れない。
以前から気になっていた新書Re83『「利他」とは何か』(伊藤亜紗・編 集英社新書)を読了。編者を含めた5名がそれぞれ一章ずつ担当し、専門的な分野からアプローチしている。國分功一郎「中動態から考える利他」と磯崎憲一郎「作家、作品に先行する、小説の歴史」は難解だったが、最後にぼんやり輪郭が見えた。
それは第一章で伊藤が記した「うつわ的利他」のイメージにつながる。「利己」と対照的に考えざるを得ない利他行動の本質を探るための手がかりになった。そこに連なる「利他は私たちのなかにない」「利他は行うのではなく、生まれる」という理解、感覚を頭の隅に置けば、自らの一挙一動の意味も明かされるだろう。