玉村豊男と言う作家(と言って良いのか?)が信州で農園・ワイナリーをやっているのは知っていた。イメージとしては「知名度を活かした商売上手」と言う感じであまり好きじゃないのだけど、実際に商品を試したわけではないので断定は禁物だとも思っていた。
たまたま読んだ本書は、ちょうど著者が農園を始めるに至った経緯とその場所を決めるまでの数年間がまとめられている。決して渡りに船、トントン拍子といった道のりではなかったようだ。手放されようとした農園を譲り受けたわけではなく、土地を買って一から始めたらしいことも窺える。
具体的な進展具合が興味深いことは勿論だが、注目すべきはその理由。「40歳を過ぎて、自分の死に場所を探し始めた」と言うプロローグは十分にインパクトがある。2.5Lの吐血と言う衝撃的な病にも驚かされるが、そうか死に場所を探すか…「死に場所」と言うのは心落ち着けられる終の棲家の意。ちょっと著者に抱いてたイメージが変わった。
「死に場所」にしろ、若い時分はどんどんモノを処分してシンプルに暮らすことが快感だったのに、歳を取るにつれ色々なモノ(もちろん何でもと言う意味ではなく、気に入ったものや他人から贈られた思い出の品々)に囲まれて暮らしたいという心持ちの変容ぶりについての記述にしろ、そういうものかとは理解はすれど共感はしない。自分もちょうど著者が引越しをして農園を始めたくらいの年頃だ。比ぶれば面白い。
(著者の農園)ヴィラデストHP:http://www.villadest.com/
2011年1月26日 通勤電車車中にて読了
たまたま読んだ本書は、ちょうど著者が農園を始めるに至った経緯とその場所を決めるまでの数年間がまとめられている。決して渡りに船、トントン拍子といった道のりではなかったようだ。手放されようとした農園を譲り受けたわけではなく、土地を買って一から始めたらしいことも窺える。
具体的な進展具合が興味深いことは勿論だが、注目すべきはその理由。「40歳を過ぎて、自分の死に場所を探し始めた」と言うプロローグは十分にインパクトがある。2.5Lの吐血と言う衝撃的な病にも驚かされるが、そうか死に場所を探すか…「死に場所」と言うのは心落ち着けられる終の棲家の意。ちょっと著者に抱いてたイメージが変わった。
「死に場所」にしろ、若い時分はどんどんモノを処分してシンプルに暮らすことが快感だったのに、歳を取るにつれ色々なモノ(もちろん何でもと言う意味ではなく、気に入ったものや他人から贈られた思い出の品々)に囲まれて暮らしたいという心持ちの変容ぶりについての記述にしろ、そういうものかとは理解はすれど共感はしない。自分もちょうど著者が引越しをして農園を始めたくらいの年頃だ。比ぶれば面白い。
(著者の農園)ヴィラデストHP:http://www.villadest.com/
2011年1月26日 通勤電車車中にて読了