
ちょっとしたニュースが入ってきた。JAL(日本航空)が、2019年からエアバス社の新型機A350(XWB?)を19機導入するという。旧JASから引き継いだA300を会社リストラの課程で全機売却し、日本からエアバス社の灯は消えたのであったが見事に復活の運びとなった。
飛行機好きとして新しい機材が間近に見られるようになる、といったレベルでなく、やはり企業として信頼性の確保と言う面から正しい選択なのではないか。「1クラス1機種に統一」と言うのは確かに各種要員の教育や部品工具の展開上コスト面で有利なことは疑いない。だが、ひとたび大きなトラブルが発生すればドミノ倒しのように大きく影響が及んでしまうことは、先のボンバルディアQ400(ダッシュ8)、記憶に真新しいボーイング787のトラブルで証明されてしまった。
具体的データを挙げてみる。米国および欧州は製造国でもあるし、路線構成が大幅に異なるためあまり参考にならない。同じアジア圏内のメジャーエアラインにおける、ボーイング777vsエアバス330/340の保有比率を調べてみた。調査は発表当日、基本的には各社公式HP、そこに機数のデータがない場合はwikipediaで確認した。カッコ内は、両シリーズの合計数のうち777の占める割合である。
JL(日本)
・B777 46機(100%)
・A330/340 0機
NH(全日空)
・B777 52機(100%)
・A330/340 0機
KE(大韓)
・B777 33機(55%)
・A330/340 27機
OZ(アシアナ)
・B777 12機(48%)
※サンフランシスコの事故機が含まれているか不明
・A330/340 13機
CA(中国国際) ※wikipediaによる
・B777 26機(38%)
・A330/340 42機
CZ(中国南方) ※wikipediaによる
・B777 10機(32%)
・A330/340 21機
MU(中国東方)
・B777 0機(0%)
・A330/340 25機
CX(キャセイパシフィック)
・B777 59機(74%)
・A330/340 21機
CI(中華)
・B777 0機(0%)
・A330/340 29機
BR(長榮)
・B777 15機(52%)
・A330/340 14機
VN(ベトナム) ※wikipediaによる
・B777 10機(48%)
・A330/340 11機
TG(タイ)
・B777 27機(46%)
・A330/340 32機
MH(マレーシア)
・B777 15機(56%)
・A330/340 12機
SQ(シンガポール) ※wikipediaによる
・B777 65機(73%)
・A330/340 24機
14社のうち、どちらか1機種しか保有していない会社は4社。しかし、日本の2社は50機ほども所有しそれが偏っている。超大型機(747と380)、小型機(737と320シリーズ)は含んでおらず、これだけで判断するのは早計かもしれないが、日本のアメリカべったり度は度が過ぎてはいまいか。
あ、それからエンジンはGEでもP&Wでもなくロールス・ロイスのトレント!機体もエンジンも、よくぞ思い切った決断をしましたね。政府のチャチャが入らなかったワケはないのだが…でもきっと「機種が増えて整備が煩雑になる」だの「パイロットの柔軟な運用ができなくなる」だの言う人が出てくる。けれど他社が出来ていることを器用な日本人ができないわけはない。
…と長々と書いている間に入ってきた続報によると350はオプション含め56機!どうやら777を全て350に置き換えるみたい。メーカー分散じゃないじゃん…でも中型機は787、大型機は350ってスタイルになるんですね。友人は「んじゃついでにA380も買わないかな」って、それはやり過ぎでしょう。
ところでJALはさておき、ボーイングから仕事を受注している国産航空機部品メーカーへの影響度はどんなもんなんでしょうね。もちろん、だからと言ってJALが「公正な判断」を翻してよいとは思いませんけど。