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「はなとゆめ」冲方丁

2014年01月27日 22時14分22秒 | 読書(小説/日本)

「はなとゆめ」冲方丁

なんだか雑誌のようなタイトルだけど、平安朝が舞台。
清少納言がヒロイン。

「枕草子」と言えば、有名な出だし・・・『春はあけぼの』。
まさか、このフレーズを読んで、涙腺がゆるむ日が来る、とは思わなかった。
ここに至るまで、著者が物語を盛り上げる。
後宮の雰囲気が良く出ている。

二つ気になった点がある。
道長がかなり「悪役」として描かれていること。
もうひとつ、紫式部が登場しないこと。
読者サービスで、出して欲しかったけど。
歌舞伎など、場面に関係なく「義経」を登場させたりする、と聞くし。
物語の流れに不協和音を入れたくなかったのでしょうか?

清少納言と中宮定子様・・・二人の関係は、実際どんな感じだったんだろう?
私の想像では、祐巳と祥子様。
あの「マリア様がみてる」、通称「マリみて」のスールの関係を思い出した。
ただ、違うのは、年上の清少納言が祐巳で、中宮定子様が祥子様、と言う逆転。
(こんなこと言ったら、国文学者に叱られるか?)
清少納言と中宮定子様の年齢差は約10歳だけど、なんとなくそう感じた。

【おまけ】
読んでいて、田辺聖子さんの「むかし・あけぼの小説枕草子」も思い出した。
随分昔に読んだので、記憶おぼろだけど、本作品との印象は異なる。
むかし・あけぼの 〈下〉 - 小説枕草子 角川文庫むかし・あけぼの 〈上〉 - 小説枕草子 角川文庫 

【ネット上の紹介】
わたし清少納言は28歳にして、帝の妃である中宮定子様に仕えることになった。華やかな宮中の雰囲気に馴染めずにいたが、17歳の定子様に漢詩の才能を認められ、知識を披露する楽しさに目覚めていく。貴族たちとの歌のやり取りなどが評判となり、清少納言の宮中での存在感は増していく。そんな中、定子様の父である関白・藤原道隆が死去し、叔父の道長が宮中で台頭していく。やがて一族の権力争いに清少納言も巻き込まれていき…。『天地明察』の異才が放つ最新歴史小説!