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「モモちゃんとアカネちゃんのほん」松谷みよ子

2014年01月17日 21時47分52秒 | 読書(小説/日本)


「モモちゃんとアカネちゃんのほん」松谷みよ子

このシリーズは全部で6冊ある。
約30年にわたって書かれた人気作品。
①「ちいさいモモちゃん」1964年
②「モモちゃんとプー」1974年
③「モモちゃんとアカネちゃん」1974年
④「ちいさいアカネちゃん」1978年
⑤「アカネちゃんとお客さんのパパ」1983年
⑥「アカネちゃんとなみだの海」1992年

先日、「自伝じょうちゃん」、「小説・捨てていく話」を読んだ。
本シリーズは、松谷みよ子さんの実生活とリンクしている。
児童書で初めて『離婚』を扱った作品、とも聞いた。

いったい、どう反映されているのか気になって、図書館で借りて調べてみた。

3巻目、「モモちゃんとアカネちゃん」で、パパとママが、『お別れ』する。
最初、予兆がある。
パパが家に帰ってこなくなり、代わりに「くつ」だけが帰宅するようになる。
やがて、「死に神」がやってくる。
どうしたら、死に神から逃れることができるのか?
ママは森のおばあさんに相談に行く。
以下、森のおばあさんとママの会話。

P131
「あるく木とそだつ木が、ちいさなうえ木ばちの中で、根っこがからまりあって、どっちもかれそうになるところへきているんだよ。もちろん、うえ木ばちの中で、おたがいよりそってそだつ木もあるし、大きくそだつ木に、つたがからまるようにくらしていくこともある。だがねえ、あるく木というもんはかなしいもんだ。あるかないではいられないのさ。」
「あるいてもいいんです。あるいちゃいけないなんていってません。あるきかたなんです・・・・・・。」
「それはわかっているよ。」
おばあさんは、くっくっとのどでわらいました。
「でもおまえさんは、やどり木にはなれない。だからしかたがないのさ。」

P135
ママとパパは、いろいろおはなしをして、さようならをすることにきめました。
ママがモモちゃんに、
「ママとモモちゃんとアカネちゃんと三人で、森のむこうの町へおひっこしをするのよ。」
というと、モモちゃんはびっくりして、それからかなしそうなかおをしました。つぎにはねあがって、
「トラックにのせてね!」
とさけびました。

【参考リンク】
モモちゃんの部屋(作者公式サイト)

ちいさいモモちゃん / 財団法人大阪国際児童文学館 子どもの本100選

「自伝じょうちゃん」松谷みよ子

「小説・捨てていく話」松谷みよ子

【こぼれ話】
ウィキペディアによると、次のように書かれている。

6巻あとがきによると当初は2巻で終わる予定だったが、当時まだ5歳だった次女が「モモちゃんのモデルは姉だ。なら続きが出れば、自分に父がいない理由も判る」と気づき、松谷に続編をせがんだことで、出たという。

なお、パパは、「モモちゃんのなみだの海」で死亡する。