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「ヒトリコ」額賀澪

2015年08月07日 20時35分11秒 | 読書(小説/日本)


「ヒトリコ」額賀澪

第16回小学館文庫小説賞受賞
小学生の時、クラスで飼っていた金魚を殺した、と濡れ衣をきせられ、いじめの対象となった日都子。
その日から、他人と最小限しか関わらず、独りで生きるようになる。

「よろこびの歌」(宮下奈都)+「王妃の帰還」(柚木麻子)。
一気読みの面白さ。
良くできている。

小説の本筋とは関係ないが、年長者が『屋号』で呼ぶのが興味深い。
なんとなく、「コンニャク屋漂流記」(星野博美)を思い出した。
茨城県、千葉県では、『屋号』で呼ぶ風習が残ってるのでしょうね。


【おまけ】
荻原規子さんの「樹上のゆりかご」の面白さには及ばない。
これは、趣味の問題も有るので、何ともいえないけど。
若いから、まだまだ実力上がるでしょう。
今後の作品をチェックして見守りたい。

【ネット上の紹介】
クラスで飼っていた金魚殺しの濡れ衣から壮絶ないじめの対象となった日都子(ひとこ)。小5のその日から、彼女は「みんな」には属さない「ヒトリコ」として生きる決心をする。ヒトリコとして生きる彼女の心の支えはピアノとピアノ教師の偏屈なキュー婆ちゃんだけ。時は経ち、高校に進学した彼女たちのもとにいじめの原因となった金魚を置いて転校した冬希が戻ってくる。癒えることのない深い深い心の傷を抱えて…。つらくて、痛くて、理不尽で。でも心がじんわり温まる物語。第16回小学館文庫小説賞受賞。