「歴史と戦争」半藤一利
過去の膨大な半藤作品をつなぎ合わせて、歴史を振り返る、って企画作品。
編集者の腕が問われる。
野上弥生子、昭和12年1月、年頭・新聞へ寄せて
P53
「・・・・・・たったひとつお願いごとをしたい。今年は豊作でございましょうか、凶作でございましょうか。いいえ、どちらでもよろしゅうございます。洪水があっても、大地震があっても、暴風雨があっても、・・・・・・コレラとペストがいっしょにはやっても、よろしゅうございます。どうか戦争だけはございませんように・・・・・・」(この願いは虚しかった)
ノモンハン事件から何を学べるか?
P71
「当時の陸軍エリートたちが根拠なき自己過信をもっていた」「驕慢なる無知であった」「当時のエリート意識と出世欲が横溢していた」「偏差値優等生の困った小さな集団が天下を取っていた」、一番最後に、「底知れず無責任であった」。これは今でも続いている。
【ネット上の紹介】
幕末・明治維新からの日本近代化の歩みは、戦争の歴史でもあった。日本民族は世界一優秀だという驕りのもと、無能・無責任なエリートが戦争につきすすみ、メディアはそれを煽り、国民は熱狂した。過ちを繰り返さないために、私たちは歴史に何を学ぶべきなのか。「コチコチの愛国者ほど国を害する者はいない」「戦争の恐ろしさの本質は、非人間的になっていることに気付かないことにある」「日本人は歴史に対する責任というものを持たない民族」―八〇冊以上の著作から厳選した半藤日本史のエッセンス。
第1章 幕末・維新・明治をながめて(江戸時代まであった、島国に生きる知恵
幕末期日本人の天皇観 ほか)
第2章 大正・昭和前期を見つめて(石橋湛山、大正十年の社説
母と、大正十二年の関東大震災 ほか)
第3章 戦争の時代を生きて(真珠湾攻撃大成功の報せを受けて
私の親父は“へん”だった ほか)
第4章 戦後を歩んで(戦後がはじまったとき
遮蔽幕がとれて ほか)
第5章 じっさい見たこと、聞いたこと(東京裁判を見に行った
陸海軍省がなくなってもなお ほか)
幕末期日本人の天皇観 ほか)
第2章 大正・昭和前期を見つめて(石橋湛山、大正十年の社説
母と、大正十二年の関東大震災 ほか)
第3章 戦争の時代を生きて(真珠湾攻撃大成功の報せを受けて
私の親父は“へん”だった ほか)
第4章 戦後を歩んで(戦後がはじまったとき
遮蔽幕がとれて ほか)
第5章 じっさい見たこと、聞いたこと(東京裁判を見に行った
陸海軍省がなくなってもなお ほか)