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「となりの韓国人」黒田福美

2021年04月19日 18時07分12秒 | 読書(韓国)


「となりの韓国人」黒田福美

先日、「韓国社会の現在」(春木育美)を読んだ。
韓国ドラマの背景を知るためだ。
本書も、その流れで読んだ。
「ドラマあるある」の背景を知ることができ、役に立った。

P107
「韓国人は立ち入ったことでもずけずけと聞いてくる」というのは同じ韓国人でも手を焼いている事のようだ。
「そういうときはどう対処しているの?」と聞くと、「それとなく話題を変えたりして乗り切る」と彼ら自身も苦慮しているのがうかがえる。
以前、「チバンイリムニダ(身内の問題です)」というコメディアンの言葉が流行語になったことがあったが、これなども追求の魔の手をやんわりかいくぐるのに一役買ったフレーズだったのかもしれない。

P113
韓国のホームドラマなどを見ていると、みんなスプーンにてんこ盛りご飯(韓国ではご飯はスプーンで食べる)を口に入れるので思わず「大丈夫か?」と、同業者として心配してしまうほどだ。しかも、美人女優がご飯を頬張ったついでにキムチまで口に入れたりする。(中略)
また、韓国では「サム」といって、肉や魚を青菜などで包んで口一杯に頬張って食べる習慣があるが、どういうわけか、これはどんなに大きくても「一口」で食べるのが決まりだ。

P185
何より妙なのは「ぞんざい語宣言」があることだ。(中略)
「僕たちこんなに親しくなったのだから、もうぞんざい語(パンマル語)で話そう」と。
男女間でも同様だ。ドラマなどでお互い好意を持ち合っている2人が、もっと打ち解けた間柄になろうと男の子のほうから「パンマル」を提案し、それまで尊敬語を使っていた2人が、ぎこちなくぞんざい語での会話を始めるなんていうシーンがあったりする。

P187
しかしなんといっても韓国人の生活に密着する「儒教文化」、その最たるものといえば「祭祀(チェサ)」だろう。(中略)
祭祀となると親族一同が本家に集まる。さらに祖先に捧げる祭祀料理の準備もあり、本家筋の長男の嫁はそのつど準備に追われるわけで、その肉体的・経済的・精神的負担も半端ではない。
 四代ということは単純に考えても四組の夫婦、年に八回の命日に法事が執り行われる計算になる。(以前、10年か20年前、新聞記事でチェサが韓国女性の結婚ハードルになっている、という記事を読んだことがある・・・これら要因が積もり積もって『20代の未婚率は91.3%に上る。同じく晩婚化が進む日本で20代の未婚率が79.7%であることと比べても、韓国の晩婚化は際立っている』、という結果に繋がるのでしょうね。・・・「韓国社会の現在」春木育美)

【おまけ】
著者の「韓国愛」が感じられる作品。
2011年5月、韓国政府から『修交勲章興仁』(2等級)を授与されたそうだ。

【参考リンク】
「韓国社会の現在」春木育美 -


【ネット上の紹介】
仕事よりメシが大事な韓国人、完璧なんて望まない韓国人、はっきり言わなきゃわからない韓国人。似てるようでもちょっと違うし、違うところはずいぶん違う。そんな違いに、日本人と韓国人は、いつもつまずく―。20年以上韓国と関わってきた人気女優が解き明かす、ドラマではわからない「隣人」の真相。

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