「聖女の魔力は万能です」①ー⑤橘由華
ライトノベルの人気作品。(今のところ⑤巻まで出版されている)
ジャンルとして、『異世界召喚』モノ?(そんなジャンルあるの?)
魔物を倒すために『聖女』として召喚されたセイの話。
普通は、波瀾万丈の冒険活劇になるはずだが、いたって普通の日常、薬草研究や料理、異世界でのスローライフが描かれる。そこが本作のミソだ。
P136(3巻目)
医食同源というのは、栄養のバランスが取れた食事を取ることで病気を予防し、治療しようとする考え方だったと思う。
これは日本独自の考え方ではなく、薬膳から得られた発想を基にしたものだった気がする。
【感想】
重い作品ばかりが続くと、疲れる。
気分転換に軽い作品もいいかもね。
(あまり軽いとかえって疲れるけど)
本作品は、いい感じかな。
【おまけ】
重い、軽いの違いは何か?
登場人物の隅々まで心理描写が行き届いているか、ってのが私の考え。
彼らの行動に整合性があるかどうか。
脇役同士の行動、発言にまで化学反応があるか。
他の方は知らないが、私は登場人物の感情の軌跡を追いたい。
ストーリーを追うだけだったら、あらすじで足りる。
感情の振幅、揺れを見たい。
深くまで掘り下げているほど、「重い」、と感じる。
優れた作品ほど、脇役の心理まで行き届いている。
歴史のうねりを感じさせてくれればなお良し。
PS
重ければ、優れているのか、面白いのか、って言われると、またそれは違う。
そこがさじ加減の難しいところ。
ある程度の重さは必要条件、でも、十分条件じゃない。
【ネット上の紹介】
どこにでもいる、ちょっと仕事中毒な20代OL・セイは、残業終わりに異世界召喚された。…でも、急に喚びだした挙げ句、人の顔見て「こんなん聖女じゃない」ってまさかの放置プレイ!?王宮を飛び出し、聖女の肩書きを隠して研究所で働き始めたセイだったが、ポーション作りに化粧品作り、常識外れの魔力で皆の“お願い事”を叶えるうち、どんどん『聖女疑惑』が大きくなってしまい…。聖女とバレずに夢の異世界スローライフを満喫出来るか!?