【ぼちぼちクライミング&読書】

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「定年入門」高橋秀実

2019年08月10日 22時53分12秒 | 読書(介護/終活)
「定年入門」高橋秀実

定年を迎えた多くの人に聞き取り調査を行っている。
いろんな「定年」があるな、と。
その人が生きてきた「人生」が出るな、と。

P101
定年後の趣味として今も人気なのは「畑仕事」である。土いじりをして暮らしてみたい、自分で野菜をつくって自給自足の生活をしてみたい、などと夢を思い描くようなのだが、私は即座に「やめたほうがいい」と忠告したくなる。実際に農業を始めた人々を取材してみると、彼らは慣れない作業でギックリ腰になったり、農機具でケガをしていた。野菜を育てるのは楽しくても、収穫した野菜は食べきることができず、知人などに送ってかえって迷惑がられたりする。

P241
頭痛、めまい、耳鳴り、動悸、胃痛、不眠、気分の落ち込みなどの不定愁訴、つまり「更年期障害」の原因は夫だという。重症化した場合は「プチ別居」「プチ入院」するなどして原因から離れるしかないそうなのである。

【ネット上の紹介】
65歳までの再雇用制度の導入。どんどん曖昧になる企業の「定年」。定年後の人生を歩んでいる人々に取材、「定年のナゾ」に迫る。
第1章 超法規的な風習
第2章 プライドのゆくえ
第3章 おはようおかえり
第4章 テイスト・オブ・定年後
第5章 特に何も変わりません
第6章 ただの人になれますか?
第7章 平等なカルチャー
第8章 問題ない問題
第9章 人生のマッピング

「令和を生きる」半藤一利/池上彰

2019年08月07日 20時36分17秒 | 読書(昭和史/平成史)
「令和を生きる」半藤一利/池上彰

P79
池上:中曽根康弘さんから話を聞いたことがあります。そのとき日本の原子力政策を推進したと自負する中曽根さんが、原発事故を受けて「原子力の平和利用には失敗もあった」と言った。
半藤:ほう、「失敗」という言葉を使いましたか。中曽根さんはたしか、初めて原子力発電研究に予算をつけたのではなかった?
池上:そのとおりです。昭和29年に国会に予算案を提出して成立させた。その額じつに2億3,500万円。なぜその金額なのかと国会で問われた中曽根さんが「原子力発電に使われるウラン235からとった」と答えて、議場からドッと笑いが起きました。

P133
池上:9.11のあと、ブッシュ大統領はあろうことか、テロとの戦いについて「十字軍の戦いだ」と言ったんです。側近たちはさすがに泡を食って訂正させたのだけれど、もうそれを聞いたアルカイダは大喜びですよ。かつてキリスト教社会が、平和だったイスラム教世界に突然攻め込んだのが十字軍でしたからね。

P137
半藤:じつはわたし、昨年平成30年8月15日の終戦記念日に、秋篠宮様の坊や、悠仁くんに昭和史の講義をいたしました。2時間半やってくれと頼まれて、宮邸に出かけて行った。(中略)
質問がありますかと聞いたら「なぜアメリカは広島に原子爆弾を落としたんでしょうか?」と。(中略)
言いたいことは要するに、日本の国防は非常に難しいということなんです。しかもいまはその海岸線に原発がずらり。

P141
半藤:いま国防予算は5、6兆円ですよね。(中略)
もし仮に日米安保を破棄して日本が自主防衛するために独自の国防力をもつとなったら、どのぐらい金がかかると思います?防衛大学校の教授二人がその場合のシミュレーションをやった。それによると23兆円もの金がかかるんだそうですよ。これは核兵器をもたない場合の予算です。いわんや核兵器なんかをもつなんて言ったらとんでもないことになる。核兵器をもつとなると、核拡散防止条約から外されて、たちまち経済封鎖。経済封鎖を食らったら日本の国はもうお手上げです。
(中略)
池上:日本が核ミサイルを持つならば、ディーゼル型の潜水艦は長期間潜っていられませんからイギリスとおなじように原子力潜水艦をつくる必要が出てくる。経済制裁でウランが入って来なかったら原子力潜水艦の原子炉の燃料をどうします?
半藤:原子力潜水艦がなければ抑止力にならないんです。要するに、北朝鮮が何もアメリカにできないのは、原子力潜水艦がないからです。
池上:ええ。しかもその運用ということになると、つねに日本海溝なり日本海に潜ませておくためには一隻ではダメ。最低、三隻必要なんです。原子力潜水艦三隻を運用して、初めて最低限の核抑止力が完成する。さあ、日本はそれができますか、ということでしょうね。(中略)
半藤:借金大国の日本がね、それだけの予算をほんとうに投入できるんですか、ということなんです。

P212
池上:不思議に思うのですが、中国にとっても日本の天皇は特別なんですね。歴代、国家元首になる前に、まず日本に来て天皇と会っている。国家元首になるのは、そのあと。習近平も、国家元首になる前の段階で天皇に会いたいと言ってきた。

安倍政権は、言葉の入替をなぜするのか?
P145
戦闘→ 武力衝突
共謀罪→ テロ等準備罪
情報公開を拒む→ 特定秘密保護法
武器輸出→ 防衛装備移転
カジノ法→ 統合型リゾート実施法(IR法)
移民→ 外国人材
単純労働者→ 特定技能者
ヘリ搭載の護衛艦を空母化→ 多用途運用護衛艦
安全保障関連法→ 平和安全法、積極的平和主義

【感想】
とても良い対談で会った。
読んで損はない、と言うか、多くの方に読んで欲しい内容だ。
関係ないけど、表紙の写真は二人がにこやかに笑っておられる。
対談の雰囲気が伝わってくるような写真だ。
これが佐藤優さんとの対談になると、なぜか池上さんは、柔らかな表情をされない。むしろ、睨み付けるような表情をされる。編集部の意向なのか?

【蛇足】
P215
権威の二元化の弊害などないスムースな移行であったと・・・
スムース→スムーズ、と表記誤り
発音記号smúːðだから。
細かい事を言って申し訳ないが・・・気になる。
(但し、これは難しい問題で、一概に言えず揺れている)
https://mayonez.jp/topic/1019991

【ネット上の紹介】
平成元年、ベルリンの壁とともに世界秩序も崩壊したことに気づかず、バブルに浮かれていた日本人。バブル崩壊後も、相次ぐ大災害と長きデフレにより、目先の生活を守ることに追われて、志向はさらに内向きに。そして日本は、理念を持たない「戦争ができる国」となり、「デマと差別が溢れる国」となった。その姿は、国際社会から取り残され、無謀な戦争に突き進んだ戦前の日本とあまりに重なる。過たずに済む分岐点はどこだったのか。昭和史研究の泰斗と現代を代表するジャーナリストが、平成の失敗を徹底的に検証した白熱対談。
第1章 劣化した政治、最初の岐路
第2章 災害で失われたもの、もたらされたもの
第3章 原子力政策の大いなる失敗
第4章 ネット社会に兆す全体主義
第5章 誰がカルトを暴発させたのか
第6章 「戦争がない時代」ではなかった
第7章 日本経済、失われつづけた三〇年
第8章 平成から令和へ―日本人に天皇制は必要か

「国の死に方」片山杜秀

2019年08月05日 20時11分40秒 | 読書(昭和史/平成史)
「国の死に方」片山杜秀

3.11を契機に書かれた作品。
国家の自壊がテーマ。

P66
明治憲法は次のように説いているかのように見える。天皇は絶対神聖だ。国民は臣民として天皇にお仕えするのみだ。この憲法の教えを素直に受け取って、天皇の前に頭を垂れ、内閣や議会や軍がそれぞれの縄張りに籠もって出しゃばらない。

P85
スターリンというと、個人崇拝が思い出される。スターリンの次の指導者フルシチョフが個人崇拝を否定したことでスターリン主義も克服されたように考える向きもあるかもしれない。が、スターリンがソ連に作り出した最大の仕掛けは、徹底的な上意下達システムだろう。

米内光政海軍大臣と阿南惟幾陸軍大臣のやりとり、1945年8月10日、閣議
P201
「戦争は互角というが、科学戦として武力戦として明らかに負けている。サイパン、ルソン、レイテ、硫黄島、沖縄島皆然り、皆負けている」
「会戦では負けているが、戦争では負けていない。陸海軍間の感覚がちがう」
「(国家)の敗北とはいわぬが、(戦闘では)日本は負けている」
「負けているとは思わぬ」

P214
犠牲社会とは縁を切った国、どんな過酷な事態に至っても誰ひとりにも捨て身の対応を命じられない国、しかも世界に冠たる地震大国が、国中を原子力発電所だらけにしてしまった。そんなに国を死なせたいのか。

【ネット上の紹介】
そんなに国を死なせたいのか?歴史はやはり繰り返すのか?リーダー不在と官僚組織の弊害、出口の見えない不況、未曾有の震災と東北の苦境…鬱積する国民の不満を受けとめられない政治は、相次ぐ国難にも右往左往を繰り返すばかり。近年、この国の有り様は、あの戦争前後の混迷に驚くほど通底している。国家が自壊してゆくプロセスを精察し、暗雲漂う現代の「この国のかたち」を浮き彫りにする。
民族のトラウマ
権力は低きに流れる―猿の群れからファシズムまで
国家をわざと麻痺させる―ヒトラーの命がけの遊び
権力者の生まれえない構造―明治憲法という自爆装置
護憲思想栄えて国滅ぶ―勝手にがんばろう!日本
上意下達の徹底と崩壊―ロシア革命からソ連崩壊まで
「負け組」が怒り出す前に―国防のための保険数学
震災で、近代国家は一時的に死んだ―関東大震災と朝鮮人虐殺
いかなる非常時にも「社会公衆の安固」を―戦時特殊損害保険
舌先三寸と気分の衆愚選挙―普通選挙で国滅ぶ
衣食足りずして礼節を知らず―「土の怨念」が生んだテロ
東北が叩きのめされた―国内外で捻れる産業政策
政党が国民の信任を失う―世界大恐慌と農業恐慌
死に体政治に未曾有の国難が迫る―ゴジラが象徴した厄災
そんなに国を死なせたいのか―半身不随の「国体」

久しぶりにルカラ

2019年08月04日 20時33分35秒 | ジム練習
久しぶりにルカラに行ってきた。
約5年ぶり。
旧交を温め、今後について相談した。
さて、どうしたもんか・・・。

「鈴木亮平の中学英語で世界一周!」鈴木亮平/スティーブ・ソレイシィ

2019年08月01日 21時08分58秒 | 読書(英語)
「鈴木亮平の中学英語で世界一周!」鈴木亮平/スティーブ・ソレイシィ

P63
1セント=penny
5セント=nickel
10セント=dime
25セント=quarter

P113
温かい料理のときは“warm"、辛い料理には“spicy"を使った方が誤解が少ないね。
(つまりhotを使うと熱いにも辛いにも解釈できるから)

P117
「おいしい」は“delicious"より“good"が定番。

P135
「こんにちは」と言いたいときは、HelloよりHi.を使う

No hard feelings.(恨みっこなしね)

No offence, but~(悪く思わないでほしいいんだけど、~)

No pressure.(無理しなくていいよ)

【ネット上の紹介】
「中学英語を使いこなせば、気持ちは十分伝えられる!」2018年の大河『西郷どん』で主演をつとめる、実力派俳優の鈴木亮平さん。ストイックな役作りでも知られていますが、東京外国語大学英語専攻を卒業し、英検1級も所持している、英語に堪能な方でもあります。帰国子女ではなく、自力で英語を身につけた彼の「ノンネイティブだから気付ける視点」が満載の英語本です。本書のコンセプトは、「話すだけなら、中学英語で十分」ということ。読んでいただきたいのは、日本の大多数を占める「英語、ぜんぜんダメなんです」という方々。英語の知識が完璧じゃないから話せない…と考えがちな日本の人たちに、「ちょっとしたコツを知っていれば、難しい単語を知らなくても、気持ちを伝えられるんだよ」ということを伝える本です。
Ryohei & Steve巻頭対談 「英会話の成功のカギは、賢く中学英語を使うこと!」
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英語フレーズまとめ