MASQUERADE(マスカレード)

 こんな孤独なゲームをしている私たちは本当に幸せなの?

『先祖になる』

2013-07-01 20:19:48 | goo映画レビュー

原題:『先祖になる』
監督:池谷薫
撮影:福居正治
出演:佐藤直志
2012年/日本

被災以上に厳しい現実

 このドキュメンタリー作品は東日本大震災後39日目から始まる。岩手県陸前高田市で農林業を営む77歳の佐藤直志の自宅内は、手付かずのままであるが、「陸前建築」によって建てられた佐藤の家の大黒柱が津波に遭っても全く傾くようなことがなかったことが証明される。地震や津波という自然の猛威になすすべがなく、消防団員の長男を亡くしたのであるが、破壊された日常を取り戻す手段もまた自然の恩恵によるもので、森から伐採した木によって新たに自宅を立て直す計画を立てる。木を伐採した跡には必ず接木をしたり、使われていなかった田んぼを借りて稲を植えたり、荒れた土地に蕎麦の種を蒔いたりするまでもなく、勝手にきゅうりの芽が生えていたりするのであり、それは佐藤が銀杏の木を削って作った男性と女性の生殖器を祠に供えているように、成長のイメージとして描かれることになる。伐採された木は「けんか七夕」の山車を組み立てる際にも利用されて、被災者の力の源となっているのであるが、このような木にまつわる「物語」は男性には受け入れられても女性にはなかなか納得してもらえず、佐藤は、安心して暮らしたい妻と別れて暮らすことになるところが被災以上に厳しい現実として突きつけられることになる。
 ところで好きな映画を訊かれた佐藤は『ローマの休日』(ウィリアム・ワイラー監督 1953年)を挙げており、このような日本の田舎のおとうさんをも魅了するオードリー・ヘプバーンの偉大さを改めて思い知らされた。


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可能性が無い日中首脳会談

2013-07-01 00:25:06 | Weblog

尖閣「棚上げ合意なかった」 78年の会談同席、元外務省課長が証言(産経新聞) - goo ニュース
「日本の三つのノー」に反発=尖閣で譲歩を―中国政府、首脳会談に条件(時事通信) - goo ニュース
鳩山氏「言ってない」けど行間から…古巣も辟易した尖閣発言要旨(産経新聞) - goo ニュース

 中国共産党・政府が沖縄県・尖閣諸島をめぐり、日本政府の(1)領土の係争があることを

認めない(2)(過去の日中指導者が合意したと中国が主張する)領有権「棚上げ」を認め

ない(3)領土問題としての対話に応じない―という基本的立場を「三つのノー」と称し、日本

側の対応に反発を強めていることが29日分かった。その上で「三つのノー」を続ける限り、

(日中首脳間などの)対話の入り口にも入れないと主張しているようだが、1978(昭和53)

年の日中平和友好条約の批准書を忠実に履行するのであるならば、「三つのノー」を止める

ことは日本側が譲歩することにしかならず、わざわざ国益を損なうように自ら合意を“破棄”

することは絶対にありえないから日中首脳会談は半永久的に行われることはないようだ。


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