原題:『Silent Hill: Revelation 3D』
監督:マイケル・J・バセット
脚本:マイケル・J・バセット
撮影:マキシム・アレクサンドル
出演:アデレイド・クレメンス/キット・ハリントン/ショーン・ビーン/キャリー=アン・モス
2012年/カナダ・フランス
「静かすぎる丘」について
冒頭のシーンにおいて主人公のヘザー・メイソンが見るレイクサイド・アミューズメント・パーク内の悪夢は、その後実際にヴィンセント・クーパーと一緒にそのテーマパークに行った際に、人形のうさぎの首が動かないことで現実であることが分かり、このシーンが面白い理由は、観ている観客にとっては悪夢も‘現実’もその酷さにおいては変わらないところなのであるが、ヘザーの「友達いらない宣言」などの細かいギャグはともかく、全体のストーリーそのものはなかなか深まることがない。探偵のダグラス・カートランドが雇い主を裏切ったり、ヴィンセントが母親のクローディア・ウルフを裏切ることも大して思慮深さを感じず余りにも相手を見くびり過ぎており、クライマックスにおいてヘザーがアレッサを抱きしめるシーンは、18歳の誕生日を迎えようとしている無垢なヘザーが大人になるための儀式として描かれているはずなのであるが、だからと言って事件が全て解決するわけではなく、相変わらずヘザーの父親のハリー・メイソンは妻のローズを探しに霧の中に消えていってしまい、ヘザーとヴィンセントが、トラヴィス・グレイディが運転するトラックをヒッチハイクして去ることと入れ替わるように数台のパトカーがサイレントヒルに入っていくことに何の意味があるのか示されず、話の‘オチ’がつかないまま終わってしまう。