MASQUERADE(マスカレード)

 こんな孤独なゲームをしている私たちは本当に幸せなの?

『神奈川芸術大学映像学科研究室』

2013-07-22 22:01:26 | goo映画レビュー

原題:『神奈川芸術大学映像学科研究室』
監督:坂下雄一郎
脚本:坂下雄一郎
撮影:松井宏樹
出演:飯田芳/笠原千尋/前野朋哉
2013年/日本
SKIPシティ国際Dシネマ映画祭2013 審査員特別賞) 

「真面目さ」の代償

 事件の発端は神奈川芸術大学映像学科に助手として勤めている主人公の奥田明が機材室の鍵が無いことに気づいたところから始まる。部屋に行ってみると一人の学生が撮影機材を持ち出している現場に遭遇し、さらに部屋の中では2人の学生がまさに他の機材を棚から下ろそうとしていたところだった。奥田に見つかったことで動揺した2人の学生は機材を床に落としてしまい、200万円の損失を出してしまう。
 学生が無断で撮影機材を持ち出そうとした理由は、その前に機材を借りた際に、返却期限をわずか1分ほど遅れ、一週間貸出禁止になっていたためなのであるが、やがてこの3人の学生の処分に関して学校側を右往左往させてしまう機材盗難事件が、果たして「盗難」と言えるものだったのかどうかは疑問が残る。もちろん演出上は実際に機材をクルマに積んでいる盗難事件とし、その後の事件に対する学校側の優柔不断さを皮肉を込めて描くことになり、学生たちの行動をあくまでも「事件」として扱い、「正義」を貫いた奥田が学生の信頼を得て、友人から誘われていた仕事を断るというその真面目さを非難するつもりはないのであるが、学生が起こした不祥事が本当に「盗難」だと断定出来るものだったのかをモラルではなくミステリーとして描くことも可能だったことを勘案するならば、真面目であるがゆえに映画としての面白さを取り逃してしまったという感は拭えない。


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池上彰になれない関口宏

2013-07-22 20:33:18 | Weblog

テレ東・池上彰の選挙特番視聴率10%超え 民放特番で圧勝(ORICON STYLE) - goo ニュース
強気の自民につけ込まれる“隙だらけ”メディア(プレジデントオンライン) - goo ニュース

 ここに書きたいことは池上彰のことではなくて、池上彰のように首相にツッコミを入れようと

して却って赤っ恥をかいたある男のことである。その男は安倍晋三に向かって次のように

言い放った。「でも、それはゆくゆくはやっぱり憲法9条の改正というところへ結びつけていく

ということですか」。「あの、私たちは既に9条も含めてですね、改正草案をお示しして

いますね、全てですね。で、その中において逐条的にどれをやっていくかということをお示し

をしていきたいと思います。まだ恐らく多くの方が我々の改正草案についてもご存知ないん

だろうと思います」という首相の発言を受けたその男に何故かスイッチが入って、「そうでも

ないですよ。あの、結構、勉強されて方も多くてね。やはり何か国家権力が強くなる、軍事力

が強くなる、何か昔のニッポンに返っちゃうんじゃないかって心配する声が沢山ありますよ」

という“正論”を待っていたかのように首相は、「でも、そうすると、例えば、じゃあ(自民党の

憲法草案)9条の一項と二項、どこを変えたかご存知ですか」と問い、「はい、分かって

ますよ。『サンデーモーニング』でもしっかりみなさんでお勉強いたしました」と自信たっぷりに

男は答えたものの、「あの、一項については我々変えていません。そして二項以降にさらに

自衛隊をですね、国防軍として実力組織としてちゃんとい続けています。さらにシビリアン

コントロール、国際社会においての貢献等について書いているわけでありますが、例えば、

外国を見てもですね、これだけの実力組織をしっかり基本法の中に明記していないという

事の方が寧ろおかしいんだろうとこのように思いますものね」と、したり顔で返されてしまい、

その後は岸井成格が発言を引き受けたおかげでかろうじて威厳を保てた関口宏の才能の

無さに関しては既に書いた通りで、才能が無くてもいいからせめて少しくらい勉強すれば

いいのに勉強もしていないのに、「お勉強いたしました」と平気な顔をして嘘をつく人に

参議院選挙特番のメイン司会をさせるTBSは本当に大丈夫なのだろうか


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