MASQUERADE(マスカレード)

 こんな孤独なゲームをしている私たちは本当に幸せなの?

『欲望のバージニア』

2013-07-04 22:32:52 | goo映画レビュー

原題:『Lawless』
監督:ジョン・ヒルコート
脚本:ニック・ケイヴ
撮影:ブノワ・ドゥローム
出演:シャイア・ラブーフ/トム・ハーディ/ゲイリー・オールドマン/ミア・ワシコウスカ
2012年/アメリカ

ジャックは何を恐れているのか?

 禁酒法時代の1931年のアメリカにおいて密造をしていた兄弟たちの実話を元にしたようだが、ニック・ケイヴの脚本は意外と分かりにくい。例えば、主人公であるボンデュラント3兄弟は長男のハワードと次男のフォレストと三男のジャックで構成されており、三男のジャックが兄たちに負けん気を見せることが却って空回りをして失敗するというストーリーの流れは分かりやすいのであるが、何故かリーダーは長男のハワードではなく次男のフォレストであり、そのフォレストがしっかり者かというと喧嘩の際には密かにメリケンサックを使用し、女性に対しても奥手な男で、キャラクター設定として間違っているとは言わないが、ストーリーを追っていると引っかかることが多々ある。
 さらに問題なのは元々問題児ではあった三男のジャックである。ジャックは独自にギャングのボスであるフロイド・バナーと売買契約を結べたことに気を良くして、密造酒の製造場所にガールフレンドのバーサ・ミニックスを連れていったのであるが、自分が取締官のチャーリー・レイクスたちに尾行されていることに全く気がつかなかった。周囲を見張っていたハワードの機転によって、レイクスを捕らえることが出来たのであるが、不思議なのは、既にフォレストが首を切られて瀕死の重傷を負っていたにも関わらず、レイクスに罵倒されながらも結局、ジャックもハワードもレイクスを殺さず、ただ顔を殴って逃走したことである。その後、先にバーサを伴って逃げたものの脚の悪いクリケットのことも考慮するならばジャックは必ずレイクスを殺さなければならないはずで、そのジャックの感情は理解しにくい。
 脚本はあまり冴えなかったニック・ケイヴだが、やはり音楽は素晴らしい。ザ・ヴェルヴェット・アンダーグラウンドの「ホワイト・ライト/ホワイト・ヒート(White Light/White Heat)」がフューチャーされているが、この曲がカントリー・ミュージックとロック・ミュージックの橋渡しをしていることがよく分かった。


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政治家になる暇があるなら

2013-07-04 00:21:38 | Weblog

桐島ローランド氏、みんなから出馬 「地域主権に共鳴」(朝日新聞) - goo ニュース

 「海外での仕事も多い中、肌で感じるのは日本のプレゼンス(存在感)の減少」と危機感を

感じているらしく、「日本がグローバルプレーヤーになるためには、幼稚園からの英語教育と

いうチョイスが必要」との認識を訴えているのは、7月の参院選東京選挙区にみんなの党

から擁立された桐島ローランドである。正直な話、「またか」という感想しかない。大阪市

教委の公募で民間人校長として4月に市立南港緑小学校に着任しながら、3ヶ月後の6月

25日付で退職した千葉貴樹も小学校からの英語教育の必要性を訴えていたのであるが、

何故こうも幼少の頃から英語教育をしたがるのか意味が分からない。例えば、桐島に関して

言うならば、もちろん父親がアメリカ人で、インターナショナルスクールに通っていたわけ

だから英語に関して不自由することはないであろうが、そんな桐島が写真家として国際的に

活躍しているのかとなると疑問を持たざるを得ない。圧倒的に篠山紀信や植田正治や

鋤田正義など、桐島と比較するならば明らかに英語とあまり縁の無い人たちが活躍している

わけであり、世界で活躍するために重要なことは“英語力”ではなく、専門家としての実力

なのである。政治家になる暇があるならば、写真家としての腕を磨けと桐島には言いたい。


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