原題:『Russendisko』
監督:オリヴァー・ツィーゲンバルグ
脚本:オリヴァー・ツィーゲンバルグ
撮影:永田鉄男
出演:マティアス・シュヴァイクホファー/フリードリッヒ・ミュッケ/クリスティアン・フリーデル
2012年/ドイツ
(SKIPシティ国際Dシネマ映画祭2013)
大きなグルーヴが生まれない「ディスコ」
原作はウラジーミル・カミーナーのベストセラーとなった短編小説に基づいており、その作品集の中から面白い部分を寄せ集めて脚本が練られただけあって、個々のエピソードは確かに面白いと思うが、それが大きなグルーブを作って感動をもたらしているかどうかは微妙である。
1990年、1967年生まれの同級生である主人公のウラジーミル、アンドレイ、ミーシャの3人はウラジーミルの両親から、ソビエト連邦から来たユダヤ人にはドイツの市民権が与えられるという話を聞いて気軽にベルリンにやって来る。確かにその後貧窮に苦しんでいた3人は現地に住んでいるオルガとウラジーミルが付き合うようになり、空き家を提供してもらったり、市民権を取得し損ねたアンドレイがヘレナにプロポーズして偽装結婚を企みながら、嘘をつき続けることができなくてバラしてしまうなど、それなりに苦労しており、さらにはウラジーミルの両親までが息子たちの後を追ってベルリンに来るなど、結構切迫している様子なのではあるが、その割にはラストがあっさりと収まるところに収まっており、結局それまでの苦労は何だったのかよく分からない。
メリー・ホプキンの「悲しき天使(Those Were The Days)」やレニングラードの「Super Good」が効果的に使われている。