原題:『Chaika』
監督:ミゲル・アンヘル・ヒメネス
脚本:ミゲル・アンヘル・ヒメネス/ルイス・モイヤ
撮影:ゴルカ・ゴメス・アンドレウ
出演:サロム・デムリア/ギョルギ・ガブニア/アイチュア・イッサイェヴ
2012年/スペイン・グルジア・ロシア・フランス
(SKIPシティ国際Dシネマ映画祭2013 最優秀作品賞)
「イノセンス」の限界
売春婦として働いていたアイシャは妊娠がバレてしまったために、乗船していた貨物船から降ろされるのであるが、水兵のアジルベックは行き場所の無いアイシャを実家に来るように誘い、彼の老いた母親と兄と弟と一緒に住むようになる。やがてアイシャは男の子を産むのであるが、母親の目もあったためなのかアジルベックを含めた3兄弟はアイシャに手を出すことをせずに、数年が経過する。しかしある日、3兄弟が近所に落下してきたロケットの燃料タンクを売りに出かけていた間に、アイシャは家の外で凍死していた、兄弟たちの母親を発見する。兄弟たちが帰ってくるまでそのまま放置しておいたのであるが、兄弟たちが帰宅した時には母親の遺体はオオカミに食べられてしまっていた。母親が亡くなったためにタガが外れた兄はアイシャとセックスをし、三男にもアイシャを抱かせるのであるが、本気でアイシャを愛していたアジルベックは小さい男の子を連れて実家から出て行く。アイシャの実家に身を寄せるとアジルベックは鉄道の線路を整備する仕事に就き、やがて小さな教会でアイシャと結婚式を挙げる。ようやく‘初夜’を迎えるのであるが、‘余韻’にも浸れたアジルベックの兄の激しいセックスと比べて、初心なアジルベックのセックスに満足出来なかったアイシャは、皮肉にもアジルベックが建設に関わった鉄道列車に乗って家出をしてしまうのである。