原題:『忍たま乱太郎 夏休み宿題大作戦!の段』
監督:田崎竜太
脚本:池田政之
撮影:長谷川光徳
出演:加藤清史郎/林遼威/神月朱里/大八木凱斗/内博貴/尼子騒兵衛
2013年/日本
「シリアスモード」の意味
前作『忍たま乱太郎』(三池崇史監督 2011年)のグズグズ感は既に書いた通りであるが、監督が交代してもこのグズグズ感に変化はなかった。猪名寺乱太郎たちが夏休みの宿題の答えを見つけるついでに、稗田八方斉によって盗まれた秘蔵の刀「極楽丸」を探しに行く辺りで「シリアスモード」に入るという看板が示されるものの、それは恐らく「戦闘モード」という意味であり、演出そのものに緊張感を持たせることはなく、「モード」がそれほどシリアスに変わったような感じがしない。結果的に、グズグズ感は最後まで途切れることはなく、「極楽丸」の真贋を巡るドタバタは面白いのであるが、「極楽丸」に関するラストのオチは弱く、現代の夏休みの宿題としては全く役には立たないが、忍術に関する知識を得られることが本作を観賞する上での唯一の収穫といったところだろうか。