MASQUERADE(マスカレード)

 こんな孤独なゲームをしている私たちは本当に幸せなの?

『レンタネコ』

2016-12-06 00:16:07 | goo映画レビュー

原題:『レンタネコ』
監督:荻上直子
脚本:荻上直子
撮影:阿部一孝
出演:市川実日子/小林克也/草村礼子/光石研/山田真歩/田中圭
2012年/日本

「穴」を巡る主人公の葛藤について

 主人公のサヨコはデイトレーダーや占い師やDJをしている傍らでレンタネコ屋を営んでいる、結婚願望は人一倍ある独身の女性で、亡き祖母の家で多くのネコと共に一人で暮らしている。彼女にネコを借りに来る人々との関わり合いを通して物語は進行していく。
 荻上直子監督の作風ははっきりと好みが別れる類のものであり、個人的にもそれほど熱心な観客ではないが、一つ気になったことを書いておくならば、サヨコが借り手に対して手作りゼリーの真ん中の穴や靴下の穴やドーナッツの穴やくじ引き箱の穴のみならず心の中にポッカリ空いた穴を塞ぐように促すにも関わらず、幼なじみの吉沢がサヨコの家の庭にあった蟻の穴を足で塞ごうとしたら、蟻が帰る場所がなくなるということでサヨコが止める場面で、心の中にポッカリと穴が空いた人がいなくなると他人との繋がりが無くなってしまうというサヨコの無意識を見たように思うのである。


  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする