原題:『Sing Street』
監督:ジョン・カーニー
脚本:ジョン・カーニー
撮影:ヤーロン・オーバック
出演:フェルディア・ウォルシュ=ピーロ/ルーシー・ボイントン/ジャック・レイナー
2016年/アイルランド・イギリス・アメリカ
ダブリンとロンドンの距離の遠さについて
ロックバンドをメインとしたこのような物語は大好きな部類の作品であり、特にデュラン・デュラン(Duran Duran)を高く評価している点など共感する部分は多々あるのだが、それ故にどうしてもラストに疑問が残る。
シング・ストリート高校主催のプロムでライブをした後に、主人公のコナー・"コズモ"・ロウラーとラフィーナは当てのないまま、モーターボートに乗ってロンドンに向かうのである。恋人同士が自分たちの才能を信じて都会でチャレンジする姿は確かにカッコいいのではあるが、ラフィーナはともかく、一緒にバンドの楽曲を制作していたエイモンをコナーが連れていかないのがどうも納得しかねる。これは例えばジョン・レノンがポール・マッカート二―を、あるいはミック・ジャガーがキース・リチャーズを連れていかないようなもので、確かにソロで成功する可能性も十分にあるのだが、バンドが成長する物語なのにバンドという形態の重要性が分かっていないのではないのかと勘繰ってしまうのである。
それでもさすがに本作のオリジナル曲は良質ものばかりで、ここでは80年代のホール&オーツの曲を彷彿させる「Drive It Like You Stole It」の和訳をしておきたい。
「Drive It Like You Stole It」 Sing Street 日本語訳
君は敗残者たちの中から抜け出てきた僕のやり方に納得できない
僕が自分自身を変えたやり方を君は理解できないんだ
僕は君と一緒にこの諍いを終わらせようと努力したけれど
君はいつまでもこだわり
さらなる報復を続ける
僕は自由を取り戻すつもり
ここから飛び出し後ろを振り返ることはない
僕が明るいブルーのキャディラックでエンストを起こしていた時
天使が呼ぶ声を聞いたんだ
これは君の人生なのだから
君はどこにでも行ける
ハンドルを握って独り占めするべきなんだ
いつの間にか自分の物のようにして運転するんだ
前進あるのみ
これは君の人生なのだから
君は何にでもなれる
君はロックのリズムに合わせて運転することを学ぶべき
アクセルを踏んで
いつの間にか自分の物のようにして運転するんだ
いつの間にか自分の物のようにして運転するんだ
僕たちは泥まみれで
自分たちがどこに向かっているのか分からない
あらゆる苦痛に直面し
軋轢が僕たちのペースを落とすけれど
世界が僕に金メダルを与えるからといって
僕がここで立ち止まっている訳がない
僕が置き去りにした君の埃は道に残されるだろう
僕は自由を取り戻し
態勢を整えるつもり
僕が明るいブルーのキャディラックでエンストを起こしていた時
天使が呼ぶ声を聞いたんだ
これは君の人生なのだから
君はどこにでも行ける
ハンドルを握って独り占めするべきなんだ
アクセルを踏んで
いつの間にか自分の物のようにして運転するんだ
これは君の人生なのだから
君はどこにでも行ける
ハンドルを握って独り占めするべきなんだ
いつの間にか自分の物のようにして運転するんだ
突き進め
これは君の人生なのだから
君は何にでもなれる
君はロックのリズムに合わせて運転することを学ぶべき
アクセルを踏んで
いつの間にか自分の物のようにして運転するんだ
いつの間にか自分の物のようにして運転するんだ
いつの間にか自分の物のようにして運転するんだ
いつの間にか自分の物のようにして運転するんだ