原題:『Blair Witch』
監督:アダム・ウィンガード
脚本:サイモン・バレット
撮影:ロビー・バウムガルトナー
出演:ジェームズ・アレン・マキューン/ウェス・ロビンソン/ヴァロリー・カリー
2016年/アメリカ
映像の恐怖の「質」について
大学の映画学科で学んでいた大学生のヘザー・ドナヒューが「ブレア・ウィッチ伝説」を探るために撮影場所だったメリーランド州のバーキッツビルの森で行方不明になった1994年から20年が経過した2014年になってヘザーの弟であるジェームズ・ドナヒューが、ユーチューブで偶然見つけたヘザーの姿らしい像が映っていた映像を見つけたことで仲間のリサ・アーリントンたちと、動画をアップしたタリアとレーンにコンタクトを取って、ヘザーを探しに行くことになる。
しかし行方不明になってから20年も経っているのに姉が生きていることを信じて探しに行くという設定に無理があるように思う。おそらく森そのものであろうとは想像できるものの、結局「敵」の正体もはっきりせず、ドローンや頭に装着できる小型カメラなど撮影に工夫は見られるが、擬似ドキュメンタリー特有の映像は相変わらず荒く、観客の怖がらせ方に基本的に変化はない。
ただ最も怖いと思えるシーンは、ジェームズがユーチューブで見た同じ映像が、ジェームズたちが撮影した映像に紛れ込んでいたことくらいであろう。