イスラエル建国以来、イスラエルとアラブ社会の間で四度(以上)の大きなアラブ - イスラエル戦争(中東戦争)がありました。その恩讐を乗り越えて、30年前、PLOとイスラエルは和平に達することができました。それはこの二十年ですっかり崩壊し、現在の極右イスラエル政権によって、最悪の状況が生み出されました。この二ヶ月のネタニヤフの言動や行動を見ていると、この男は気が狂っているとしか思えません。PLOとの和平を実現させたラビン元イスラエル首相の暗殺の裏にいたのがこの男だという噂もあり、筋金入りの人種差別主義者でパレスティナ人の殲滅とパレスティナの土地の単独掌握がイスラエルの正義だと信じているようです。イスラエルの空爆によってガザで一晩で百人以上を殺したクリスマスの日、この男のスピーチには怒りと恐怖で鳥肌が立ちました。
Prime Minister Benjamin Netanyahu:
— Prime Minister of Israel (@IsraeliPM) December 24, 2023
To our Christian friends around the world, Merry Christmas.
Christmas is supposed to be a time of good will to all men & peace on Earth. Well, we don't have peace on Earth, not in our part anyway & we certainly don't see good will to all men. pic.twitter.com/dBs5JKXq9Z
当然、ネタニヤフに対する周辺のアラブ諸国の反感は強く、もとを辿れば、今回のハマスの攻撃にしてもこの男が引き起こしたものと言えなくもありません。自分でわざわざ災いの種を撒いておいて、相手に罪をなすりつけるような行いに私は全く共感の念を持ちませんが、旧約聖書を文字通りに受け取れば、彼の理屈にも筋が通ってはいるのかもしれません。しかし、私は少なくとも彼を同じ人間とは思えません。
現在、当然ながらガザの大虐殺に対する国際社会の非難は激しく、国連でイスラエル政府の味方はイスラエルについでユダヤ人人口の多いアメリカのみ。アラブは実力行使を取り始めています。イエメンのフーシは紅海からスエズ運河を通ってイスラエルに物資を運ぶ船舶の通行を阻止。そしてアラブ社会の外でも、近く中国がイスラエルの経済制裁を決定するとの噂。これは実現するとイスラエルには大きな打撃でしょう。
そこへ来て、イスラエルはシリアへの空爆によって、イラン革命軍参謀、Sayyed Razi Mousaviが殺害されたとのニュース。いよいよ、全面的な中東戦争へと向かうかの様相を示してきました。
ここで、やはり帰趨の鍵を握るのはアメリカとなりそうです。そして、そのアメリカに強く交渉できる国があるとしたら、中国でしょう。とことん実利的な中国人と米ユダヤであるからこそ、この戦争の得失のソロバンを弾いて、イスラエルの狂人を止めることに合意するかもしれません。