tetsudaブログ「どっぷり!奈良漬」

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奈良まほろばソムリエ「勝利の方程式」

2009年10月22日 | 奈良検定
昨日(10/21)、早くに申し込んでおいた「『奈良まほろばソムリエ』認定支援セミナー」(ソムリエ受験者のための直前対策セミナー)の受講票が郵送されてきた。受講番号は109番だったが、これは109人目ということだろう。前回のソムリエ(奈良検定の最上級)の受験者は211人だったが、今回もたくさんの人がソムリエを受験するようである。

さて先日(10/19)は2級を受験される方のために「ズバリ!奈良検定2級の要点整理【第4回対策】」を書いたので、今回は(私を含む)ソムリエ受験者のために、前回試験でのソムリエ合格者の体験記を紹介することにしたい。

以下、当ブログ記事「奈良検定『ソムリエ』の合格発表」(3/25付)にお寄せいただいた合格者(4人)のコメントを引用しつつ、再構成して紹介させていただく(引用部分は《 》内)。
※奈良検定「ソムリエ」の合格発表(当ブログ内)
http://blog.goo.ne.jp/tetsuda_n/e/6b46b5362f45c7c281b9f1f7a3d705b4#comment-list

Ⅰ.畳薦(たたみこも)さん
《100点はめざさない、70%を取ればいい。完全な受験準備は誰にだってできない、捨てる分野があって良い。これが基本戦略。ソムリエと言えども、自分の好きな、得意な、蘊蓄がある分野以外の微細な事項の暗記は不必要だ。これまでの二,一級での知識に磨きをかけるだけで良い》。

《1.ノートを作る。テキストをまとめたノートは必要でしょう、自分で作らねばならない。私は単純にキストの順序通りのまとめノートでした。1級受験時に作り、今回は記憶まちがいなどの訂正と書き加えのみ》。

《2.受験勉強は二ヶ月前で十分。春から夏は県下各地を歩くことに使えばいい。歩くことが記憶になるし論述の材料を作ることになる。奈良県在住者は特に地元については絶対の理解が欠かせない》。

奈良・京都の古寺めぐり―仏像の見かた (岩波ジュニア新書 (89))
水野 敬三郎
岩波書店

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《3.参考書 (分母はこの三年間の読書回数、分子はソムリエ受験年の読書回数)》。
これが圧巻だ。箇条書きにして並べると、
『奈良県の歴史散歩 上・下』山川出版社 4/4
『新版 奈良県の歴史』山川出版社 2/5

『奈良・京都の古寺めぐり』水野敬三郎著 岩波ジュニア新書 2/5
『奈良の寺々』太田博太郎著 岩波ジュニア新書 1/4
『奈良』直木孝次郎著 岩波新書 2/4
『奈良の寺』奈良文化財研究所編 岩波新書 1/4
『古都発掘』田中琢編 岩波新書 1/4

『チャレンジ奈良検定!練習問題集』 毎日新聞奈良支局編 日本教育研究センター 3/12
『奈良まほろばソムリエ検定 公式テキストブック』 奈良商工会議所編 山と渓谷社  8/19

「ズバリ!奈良検定2級の要点整理」(=鐵田要点・当ブログ内)
 第2回対策用 3/6 第3回対策用 6/6
http://blog.goo.ne.jp/tetsuda_n/e/71fa593b91174a1b88f394f5dc2917e5

「古都奈良の名刹寺院の紹介・仏教文化財の解説など」中西忠さんのホームページ
http://www.eonet.ne.jp/~kotonara/index.html



この中西さん(元ボランティアガイド)のホームページはとても詳しくて、しかも分かりやすい。私も今、関心のあるものからプリントアウトして読んでいる最中である。タダでこんなに勉強させていただいて、申し訳ない気持ちである。畳薦さんによると《寺院建築、仏像についての基本知識が学べる。学者の体系的な論述と違って、アマチュアが一つずつ知識を理解されていった作品なので、素人である我々にたいへん解りやすい。「鐵田要点」と同様にすばらしい作品です》。

お寺を中心とした解説であるが、目次を見ただけでクラクラするほどの充実ぶりである。私の素っ気ない「要点整理」など、比べものにならない。ただし、中西さんお得意の「法隆寺のお話」など、A4版でプリントアウトすると64ページ(!)もあるので、用紙切れ・インク切れには十分ご注意いただきたい。

その他のお薦めは《推理小説群。杉本苑子『檀林皇后私記』『穢土荘厳』、永井路子『氷輪』『美貌の女帝』。これらはなかなか良い、天平史に触れられる》《地図が必要です、少なくとも一枚ものの奈良県地図を用意して、これに文化財、名所の記入がありますから、これをマークし、さらに書き加え、自分の歩いたルートなどを記入してゆきたい。直接の解答能力以前の基本知識です》《NHKの特集番組を見ること、これも自分の知識の穴を教えてくれるし、疑問を持てる。すかさず、自分のノートに異動を記入するべし》。

小説も良いが私は以前、当ブログ記事「『奈良を大いに学ぶ』講義録(5)」のコメント欄で、ももんがさんに教えていただいた里中満智子のマンガを読んでいるところだ。『長屋王残照記』(全3巻)は読了し、今は『天上の虹』(1巻~現在進行中)を4巻まで読み終えたところである。やはり絵は頭に入りやすいし、史実をよく踏まえているので、とても参考になる(ももんがさん、お便り拝受。有り難うございました!)。
※参考:「奈良を大いに学ぶ」講義録(5)(当ブログ内)
http://blog.goo.ne.jp/tetsuda_n/e/58913f4d773a63bf312dd23a9c71b78a

長屋王残照記 (1) (中公文庫―コミック版 (Cさ1-16))
里中 満智子
中央公論新社

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畳薦さんの注意点として《論述は単なる暗記ではなく総合的な自分の解釈、理解、言いたいことがなければ、論理的には書けません。だから、読書とフィールドワークで自分の観点を持つことが肝要です。暗記は「鐵田要点」で十分です。過去問すべてをやり、毎日の問題集をやって、いつも苦手な所はカードで覚えるしかないが、捨てても良い。あの問題集の「キトラ・高松塚」編は捨てるが良い》。

Ⅱ.まきむくさん
《4択は結局テキストを何度も何度もくり返し読み込むのが基本です、最後はtetsudaさんのレジュメが役にたちました。論文ですが、私は問題を想定して、時計で時間を計りながら200字&400字にまとめる練習をしました。おかげさまで、200字と400字ではそれぞれ練習した問題が1問づつ出てくれましたので、助かりました。まあ、出題の傾向は来年もそうは変わらないでしょうから、兎に角原稿用紙で数多く練習しておけば大丈夫です。特に400字問題は自分がガイドになったつもりで書くのがいいと思います》。

なるほど。やはり、実際に原稿用紙向かい、答案作成練習をしなければいけないのだ。なお、初回ソムリエの記述問題は以下のとおりだった。参考にしていただきたい。
(1.は四択問題30問・各2点)

2.次の中からテーマを2つ選び、それぞれについての解説文を別紙の解答欄に20字以内で書きなさい。尚、選択したテーマの番号を解答欄左上の所定欄に記入すること。(各10点)
(1)奈良盆地の河川について
(2)平重衡による南都焼討ち後の東大寺の復興について
(3)高松塚古墳壁画の内容と配置について
(4)長屋王とその邸宅・墓所について
(5)金峯山寺蓮華会・蛙とび行事について

3.次の中から見学場所を1つ選び、その場所を含む1日の見学コースを想定したのち、同伴者を楽しませ、奈良の文化遺産や自然遺産に興味をもたせるには、どのように案内すればよいかを考え、自分なりの見学計画を400字以内で書きなさい。尚、選択したテーマの番号を解答欄左上の所定欄に記入すること。また、行程ならびに本文の記述にあたっては、下記の条件を参照すること。(20点)
(1)平城宮跡の朱雀門(奈良市)
(2)阿騎野のかぎろいの丘万葉公園(宇陀市)
(3)石上神宮(天理市)
(4)石舞台古墳(明日香村)
(5)竹林院(吉野町)

【記述の条件】
・主な見学地を訪れる順番にそって行程を設定し、枠内に記入しなさい。なお、行程は〔○○○~○○○~○○○…〕という書き方で列記すること。
・見学地の数は自由とします。
・見学の集合・解散場所(鉄道の駅や路線バス乗り場など)を想定する必要はありますが行程の欄や本文の中にあえて入れる必要はありません。
・見学地間の移動手段は徒歩を基本としますが、路線バス・鉄道・自動車などを利用しても構いません。

Ⅲ.koba-seさん
《四択は10分ぐらいで、一通り済ませて論文にかかったのですが、400字問題で、下書きをして解答用紙に書いていたらどんどん時間がなくなってしまい、200字問題は下書きなしのぶっつけ勝負。そのため、1問は180字くらいで続きが書けなくなりました。前に戻れば書き足せるのですが、消して書き直す時間もなく、その上あせってひどい字でそのまま提出。四択の問題に自分がどこに丸を付けたか控える間もなくタイムアップでした。四択と論文の自分の得点もわからない状況です》《こんな私がコメントするのもなんですが、やっぱりポイントはどれだけ現地に足を運ぶか、だと思います。そうすることにより、400字問題は、自分が好きな場所を本当にみんなに紹介する気持ちで書けると思います》。

《この一年、結構いろんな本を読みました。皆さん勧められている『奈良県の歴史』。いい本だとは思いますが、奈良が好きな人のほとんどが飛鳥・奈良時代が好きで、それ以降はあまり興味がないのかなと思います。それでも2度くらい流し読みするだけでも頭に残る内容が役に立ちます(宇陀崩れなど)。あと、雑誌の「ならら」は軽くて面白く役に立つ情報が多いので毎号買うようにしていました。評判の悪い「公式テキスト」ですが、他の本を読んでもう一度テキストに戻ると、理解度が深まる気がします》。

ソムリエの4択問題(全30問)は、公式テキストの掲載範囲内(巻末の年表を含む)が「16問」、テキストの範囲外が「14問」と聞いているので、やはりテキストを隅から隅まで読み込むことが大切のようである。

《古墳はまとまったものが少ない中で、1冊でかなり網羅しているのが『大和の古墳(1)』(橿考研監修・近畿日本鉄道発行・発売元人文書院)。多くの古墳が地域別・年代別に解説されています。軽く読めるものとして『奈良・大和路 まほろば巡礼』(小学館)。仏像・塔・芸能などのテーマごとの構成で、400字問題のヒントになるのではないでしょうか》。

《本ではないですが「朝日新聞(奈良版)」の特集「奈良を学ぶ」「古代は今」など。わかりやすく、かつ、奈文研の方などが結構本格的に書かれています。朝日をとっていなくてもHPにありますが、古いものから削除されるので注意が必要です》。
※参考:朝日新聞(奈良版)のサイト(「企画特集」参照)
http://mytown.asahi.com/nara/ 

Ⅳ.Mattyさん
《四択の正解はなんと18問、つまり、貯金は6点しかなかったのです。記述部で7点以上のマイナスは不合格、ということです。しかも2箇所情報の間違いを発見していましたので、すっかり諦めていました。ところが結果は73点、つまり記述部での減点は3点だったということです。私は自分の結果から、記述部の採点方法が、少しだけ読めたような気がしますので、よかったら参考にしてください》。

《一番気をつけることは<字数制限は守る>ということです。字数制限が設けられている場合、大体10字前後の範囲内に収めることです。字数が許容範囲内であり、且つ内容がしっかりしていれば、持ち点は満点で、そこから誤字・誤情報等がマイナスされていきます(恐らく1つにつき一点の減点)ので、最初のスタートラインである字数はしっかりと満たすことです》。

《情報量は200字の場合は4つ、400字で6つくらい(これは対策セミナーで来多村先生がおっしゃっていました)です。400字の場合はさらに”独自性””求心性”という主観的な採点が入りますが。私のように四択がひどい出来でも記述で挽回できるのです、どうぞ今後ソムリエ目指すかた、しっかり書いて得点して合格してください》。

以上、4人のソムリエの「勝利の方程式」を紹介させていただいた。参考図書から記述式の書き方まで、とても参考になる話ばかりだった。
奈良古社寺辞典

吉川弘文館

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今、初回ソムリエ試験の4択問題(計30問)のジャンルを調べてみると、地理1問、歴史9問(うち1問はお寺の歴史)、寺院11問、仏像2問、墓(火葬墓)1問、国宝1問、行事5問(うち2問はお寺の行事)だった。つまり、お寺関係だけで過半数の16問を占めていたのだ(=歴史1+寺院11+仏像2+行事2)。ここでも、私がいつも言っている「お寺を制するものは奈良検定を制す」が立証された。だから畳薦さんが、お寺に関する新書本や、中西さんのホームページを勉強されたのは、的を射た勉強方法だったことになる。私も早速、新刊の『奈良古社寺辞典』吉川弘文館刊(2940円)を買い求めた。

泣いても笑っても、試験日は1月10日。畳薦さんのおっしゃる準備開始の「2か月前」がグッと近づいてきた。そろそろ、受験モードに切り替えなければ…。
※奈良検定の公式ホームページ
http://www.nara-cci.or.jp/narakentei/index.html
コメント (6)
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