専門紙の「喜怒哀楽」というエッセイ欄に寄稿しました。趣旨はいつも当ブログに書いていることですが、以下に紹介させていただきます(金融経済新聞09.10.5付)。
食い倒れの大阪、会席料理の京都、松坂牛の三重、黒潮の幸の和歌山という4府県に囲まれているせいか、奈良の「食」があまり知られていないのは残念だ。
伝承料理研究家の奥村彪生(あやお)氏によれば「奈良は日本の食文化発祥の地」である。だから奈良発祥の食べ物はとても多いのだが、今やあまりにもポピュラーになってしまっているので、ルーツはどこかと詮索する人は少ない。
奈良発祥の食べ物は、奈良漬と三輪そうめんだけではない。古事記によれば、日本酒は三輪(桜井市)で初めて作られた。長い間濁り酒だったが、これが清酒になったのは鎌倉時代で、醸造元は奈良市の正暦寺(しょうりゃくじ)というお寺だった。豆腐は中国から遣唐使により奈良の都にもたらされたのが始まりである。饅頭は南北朝時代に中国から渡来した林浄因(りん・じょういん)が、初めて奈良で作ったものだ。
食文化発祥の地だけに、奈良には美味しい食材が多い。畜産物では大和肉鶏、大和牛、ヤマトポーク、やまとなでしこ卵。京野菜のルーツである大和野菜には、大和丸ナス、宇陀金(きん)ごぼう、大和まな、千筋(せんすじ)みずななど、逸品が揃っている。古来、美味しい日本の食材は、水と土の賜物だった。水と土に恵まれた奈良の食べ物が不味いはずがないのだ。
川魚では、アユの美味しさが広く知られているし、ヤマメの仲間のアマゴ(アメノウオ、サツキマス)は、東京の一流シェフを唸らせた。
奈良の食材を知っていただける絶好の機会が到来する。「クーカルin奈良」という食のイベントがこの11月3~23日に奈良公園周辺で開催されるのである。全国の超一流シェフが奈良に集まり、地元の食材を使ったご馳走が提供される(2011年まで毎年開催)。
奈良には美味しいお店も多いのに、飲食店の絶対数が少ないので「美味しいものがない」という誤解を与えているようだ。私は自分のブログで奈良の美味しい飲食店などの情報を発信している。ブログのタイトルは「日々ほぼ好日」で、「グルメガイド」というボタンをクリックしていただくと、お薦めの店がずらりと出てくる仕掛けである。
いよいよ来年の1年間は「せんとくん」でおなじみの平城遷都1300年祭が開かれる。この機会にぜひ奈良へお出ましになり、「奈良はおいしい」を実感していただきたいものである。
引用は以上です。そういえば「クーカルin奈良」も、目前に迫ってきました。
http://www.cucal.net/2009/?area=nara&m=top
人気の正倉院展も、来週(10/24)から始まります。最近はとても混雑しますが、夕方は比較的空いています(しかも、割安なオータムレイトチケットで入館できます=閉館の1時間30分前に販売)。
http://www.narahaku.go.jp/exhibition/2009toku/shosoin/shosoin_index.html
奈良は秋の観光シーズンたけなわです。ぜひ、奈良をお訪ね下さい。
※トップ写真は、猿沢荘の「ヤマトポークの生姜焼きランチ」700円(10/13撮影)
食い倒れの大阪、会席料理の京都、松坂牛の三重、黒潮の幸の和歌山という4府県に囲まれているせいか、奈良の「食」があまり知られていないのは残念だ。
伝承料理研究家の奥村彪生(あやお)氏によれば「奈良は日本の食文化発祥の地」である。だから奈良発祥の食べ物はとても多いのだが、今やあまりにもポピュラーになってしまっているので、ルーツはどこかと詮索する人は少ない。
奈良発祥の食べ物は、奈良漬と三輪そうめんだけではない。古事記によれば、日本酒は三輪(桜井市)で初めて作られた。長い間濁り酒だったが、これが清酒になったのは鎌倉時代で、醸造元は奈良市の正暦寺(しょうりゃくじ)というお寺だった。豆腐は中国から遣唐使により奈良の都にもたらされたのが始まりである。饅頭は南北朝時代に中国から渡来した林浄因(りん・じょういん)が、初めて奈良で作ったものだ。
食文化発祥の地だけに、奈良には美味しい食材が多い。畜産物では大和肉鶏、大和牛、ヤマトポーク、やまとなでしこ卵。京野菜のルーツである大和野菜には、大和丸ナス、宇陀金(きん)ごぼう、大和まな、千筋(せんすじ)みずななど、逸品が揃っている。古来、美味しい日本の食材は、水と土の賜物だった。水と土に恵まれた奈良の食べ物が不味いはずがないのだ。
川魚では、アユの美味しさが広く知られているし、ヤマメの仲間のアマゴ(アメノウオ、サツキマス)は、東京の一流シェフを唸らせた。
奈良の食材を知っていただける絶好の機会が到来する。「クーカルin奈良」という食のイベントがこの11月3~23日に奈良公園周辺で開催されるのである。全国の超一流シェフが奈良に集まり、地元の食材を使ったご馳走が提供される(2011年まで毎年開催)。
奈良には美味しいお店も多いのに、飲食店の絶対数が少ないので「美味しいものがない」という誤解を与えているようだ。私は自分のブログで奈良の美味しい飲食店などの情報を発信している。ブログのタイトルは「日々ほぼ好日」で、「グルメガイド」というボタンをクリックしていただくと、お薦めの店がずらりと出てくる仕掛けである。
いよいよ来年の1年間は「せんとくん」でおなじみの平城遷都1300年祭が開かれる。この機会にぜひ奈良へお出ましになり、「奈良はおいしい」を実感していただきたいものである。
引用は以上です。そういえば「クーカルin奈良」も、目前に迫ってきました。
http://www.cucal.net/2009/?area=nara&m=top
人気の正倉院展も、来週(10/24)から始まります。最近はとても混雑しますが、夕方は比較的空いています(しかも、割安なオータムレイトチケットで入館できます=閉館の1時間30分前に販売)。
http://www.narahaku.go.jp/exhibition/2009toku/shosoin/shosoin_index.html
奈良は秋の観光シーズンたけなわです。ぜひ、奈良をお訪ね下さい。
※トップ写真は、猿沢荘の「ヤマトポークの生姜焼きランチ」700円(10/13撮影)