tetsudaブログ「どっぷり!奈良漬」

コロナも落ちつき、これからが観光シーズン、ぜひ奈良に足をお運びください!

三輪の栄寿司は、大神神社&富司純子ご用達!

2011年09月06日 | グルメガイド
桜井市三輪(三輪郷)には、雰囲気のいい「むかし町」が残る。『奈良まほろばソムリエ検定 公式テキストブック』(山と渓谷社刊)によると《三輪は大神神社、平等寺、大御輪寺があり、これらへの信仰で訪れる人々も多かったが、長谷詣、伊勢参りへの通行人が増えると、その通過点である三輪への参詣も自然と増加し、上街道の宿場町、大神神社門前町としての傾向が強くなり、加えて三輪市に始まる市場町としても栄えた。今も、三輪の町中を通る旧街道沿いには旧門前町を伝える商家や民家が立ち並んでいる》。





三輪郷(JR三輪駅のすぐ近く)に、栄寿司というお寿司屋さんがある。「大神神社御用達」という年季の入った看板がかかった老舗である。8/7(日)、10月に実施予定の古社寺を歩こう会「神奈備(かんなび)の三輪山登拝と纏向遺跡」の下見のため、tenbouさんに運転をお願いして三輪を訪れた際、ここで昼食をいただいた。つっ立っているだけで汗が噴き出るほどの暑い日だったので、ウインドーの「冷やしそうめん お寿司のセット」900円に惹かれてお店に入ったのである。





店内も昭和レトロ調のいい感じのお店だった。あたりを見回していると、大きな振り子時計が目に入った。「大きな古時計」という歌に出てくるような時計である。おじいさんの「大きなのっぽの古時計」は「今はもう動かない」が、この時計はチクタクと動いているし、時間も合っている。聞いてみると「まだ現役ですよ、毎朝ネジを巻いています」というお話だった。時計には「Aichi Clock」(愛知時計)というラベルがあったから、国産メーカーだ。あとで調べてみると、愛知時計電機株式会社は1898年(明治31年)創業の会社で、大隈講堂(早稲田大学)の塔時計や、艦上爆撃機、魚雷発射管、通信機などを製造した歴史があるという。



テレビの台は、ダイヤルが8つもついた頑丈な金庫だった。「これはすごい。大きな商いをされていたのですね」と聞くと、「いえ金庫も時計も、ご近所の南都銀行三輪支店さんが新築移転されるとき、いただいたものです」とのことだった。銀行の金庫なら頑丈なはずである。優良取引先なので、銀行が持ってきたのだろうか。



「富司純子のサインがありますよ」とtenbouさん。ふと見ると、壁の額には“NHK朝ドラ「てっぱん」初音 栄寿司さんへ 富司純子 平成23年2月6日”というサインがあった。「富司さんは子供の頃、親御さんに連れられて、よく初詣に大神神社にお参りされ、その帰りにウチでお寿司を召し上がるのが楽しみだったそうです。このサインは、NHK大阪のドラマ収録の合間に来られ、その時はいなり寿司をお持ち帰りされました」ということだった。なるほど、やはり由緒あるお寿司屋さんなのだ。



さて、運ばれてきた「冷やしそうめん お寿司のセット」(トップ写真)は、とても懐かしい味だった。細くてシッカリした三輪そうめんはもちろん、富司純子が買って帰ったといういなり寿司は汁気がたっぷりで、とても美味しい。





機会があれば、もう一度訪ねたいものだと思っていると、8/15(月)、うまい具合に近くへの出張が入った。今度は親子丼700円に、富司純子ご用達のいなり寿司をバラで3個、組み合わせた。ジューシーないなり寿司も、あつあつの親子丼も、とても美味しくいただいた。最近は丼物を外で食べると、やたら甘辛くて閉口することが多いが、こちらの親子丼は、ちゃんと薄味の「つゆだく」に仕上がっていた。





ふらりと入ってこういうお店に行き当たるところが、奈良県のすごさである。ご主人も奥さんも、とても感じの良い方で、気持ちよく応対していただいた。大神神社参拝の折は、ぜひ栄寿司をお訪ねいただきたい。
※桜井市三輪387(三輪駅西側から徒歩3分) ℡ 0744-42-6038
地図はこちら
コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする