山添村(奈良県山辺郡)に、「めえめえ牧場(まきば)」という観光牧場がある。山添村観光協会のHPによると《愛らしい羊たちがお出迎えしてくれる「めえめえ牧場」。モコモコと全身が毛で覆われた姿は愛嬌たっぷりです。牧場内では羊せんべいを販売しており、自由にあげることもできます。牧場の周りには芝生広場が広がっているので、羊を見ながらお弁当を食べることもできます。また隣には「羊毛館」があり、「めえめえ牧場」で刈り取られた羊の毛を使い、気軽に羊毛加工を楽しむことができます》。
※トップ写真は山添村観光協会のHPから、その他の写真は若林さんのブログから拝借した
羊たちの食欲は旺盛で、エサは牧場に自生する草だけでは足りず、他所から調達しているが、相当なコストがかかっている。一方県内各地では、線路や堤防の法面(のりめん)に生い茂る雑草の刈り取り作業に追われている。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/1e/01/35a2787c1b2ebd2b4e9511fdbf53edd2.jpg)
「この草を、羊たちに食べてもらえないだろうか」と思いついた人がいた。地域プランナー・コーディネータの資格を持つ若林稔さん(今井町町並み保存会会長)である。若林さんのブログ記事「今井町に羊の除草大使がやってきた」(11/9付)によると、
山添村のめえめえ牧場の羊を借りて、我が家の裏のJR堤防の除草をしてもらえないかこんな思いが届いたのか、10月28日 山添村の知人から1通のメールが届いた。
突然のメールで失礼ですが、お願いがございます 山添村の「めえめえ牧場」の羊に村の活性化に一役かってもらおうという企画をお話したことを覚えていてくださるでしょうか 具体的には、「草刈」をさせ耕作放棄地等の美化を図ることと、子供たちに羊と触れ合う機会を提供して感性を養うのに貢献すること等を考えています
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/08/c1/e632252edcfbd86e032a14533f53d30a.jpg)
というメールだ 1年前に地域プランナー・コーデイネ―ターの講習会で熱く語っていたことが口火になった感じだ さっそく29日16時に今井町を出発、山添村のめえめえ牧場に走った あまりにも早い行動だと大変驚かれたが、Tさんは好意的にいろいろと羊の習性などを教えてくださり、前向きな検討に入ろうと約束して帰った
並行してJRの管轄部署にも連絡をして、好感触を得たので、さっそく山添村の羊たちの活動の場を求めてJRの王寺鉄道部と 我が家の裏のJR桜井線の土手を使って羊による除草をテストしょうと、3者が11月3日午後13時から我が家で実行に向けての第1回目の打ち合わせをした
実現すれば、鉄道の土手の除草、河川敷の土手の除草と、無限の広がりの可 能性が生まれます 羊たちの牧草不足の解消、鉄道、河川敷の雑草地が移動牧場に変わるかもしれません
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/08/f0/5ea961ab28c3ae7ecfba048bf45c44d7.jpg)
しかし、ハンディが大きすぎる、まず問題点の洗い出しにかかったが、それぞれの分野ではエキスパートであっても、全く互換性が見つけることができない 幸い、元鉄道マンとして広く鉄道を見させていただいてきたおかげで、両者の通訳をしながら話し合った 結論的に現在の常識をそれぞれが打開してくれないといい話も前え進めないということを力説したその結果、を以下にまとめてみた
鉄道と羊
1、鉄道の除草対策
現在は人力(草刈り機)による除草が主体、人出不足、除草後の処理、経費の派生
2、羊を利用した場合
草を食べるので後始末がいらない、車窓から見える風物詩をつくれる、沿線PRのポスターなどを作れてイベントに成長させることが出来る、柵があるので子供たちも鉄道の至近距離まで近づくことが出来るので、鉄道への理解、憧れを教育できる
3、問題点
◆柵、夜寝る場所の確保、飲み水の補給…をしてほしい…これもやってほしい側が入り込まないと前には進まない。その中から助けてくれる人が出てくる。そんなサイクルを作っていく。
◆現段階では3~4頭貸し出しができるとのこと。(羊は基本的には村有なので管理責任者の了解がいる)
◆鉄道が草刈りをしなければならないというのが課題になっているが、草が食い終われる数の羊を持ってきて、イベントにすれば、鉄道、管 理者、地域などが共同で管理できる。日数を短縮するために羊の頭数を増やすことが必要
4、羊が電車に驚かないか
5、夜にさびしがって泣いて沿線から苦情が来ないか(多分初日に発生すると思う)
6、羊の食べる量を目安に、放牧範囲、期間を考える
最も大事なことは鉄道の安全圏を熟知して、その範囲内での放牧が基本条件
4、鉄道側
これまでの常識 遠い昔は、農家の牛、羊の飼料場であった 最近は人や動物を線路ぎわに近づけないのが常識になっている
5、牧場側
羊の移動許可はどうなっているのか、輸送と管理
6、その他
サイロ もしJRが草の処理に困っているならサイロ方式にすれば飼料になる。最難関の鉄道での放牧が成功すれば河川敷、黒滝、下北山など供給地は無限に広がり、奈良県の新しい牧畜産業が派生する
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/6f/c3/118e9bb032012e5063a11bb2c7a1d805.jpg)
若林さん宅でのテスト結果。ビフォー&アフター
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/5d/43/b8c217fc685967598e67299189e0fb3b.jpg)
でも、やっぱりすぐにJR堤防に放牧には懸念事項が多すぎるのでひとまず我が家の空間に放牧することとした 寝床の確保、飲料水の設置も終えていよいよ仮放牧開始 食べる食べる、実によく食べる 1日でこの状態 放牧前と比較すると改めて効果に驚き どこから聞きつけたのか、子供たちも集まってきて大人気、大人たちにも好評で早くも今度はいつ来るのとオファーも出ている
この効果を確認に来られたJRの管理部、運輸、施設、の現場長もその効果にびっくり、次のステップへ早急に行動を起こすことを確認しあった 早く夢が叶うことを願って全力投球しています 応援してください
これは面白い。羊のエサが無料で確保でき、しかも人力や動力(および燃料)を消費する草刈りと違って環境にもやさしい。子供たちも喜ぶ。まさに三方良しのアイデアである。考えてみれば奈良公園だって、鹿が雑草を食べてくれているのである。若林さんが「奈良県の新しい牧畜産業が派生する」とお書きのとおり、何か新しいビジネスモデルも生まれる可能性もある。何しろ日本で初めて酪農が行われたのは、この奈良県である(中国から乳牛が運び込まれた)。昨日(11/13)のブログ記事「羊さんいよいよJRの堤防の除草に始動」には、
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/29/c3/0401635aeb4f161f6c4714e699059d50.jpg)
テストで放牧した我が家の除草は2日であらかた終了、たくさんの人が見物に来るようになったが肝心の草が無くなった JRの関係者のみなさんもこの効果にはびっくり、いよいよJR堤防でテスト放牧をしようということになった 12日10時に、JRの係員が列車監視に立って柵の製作開始、さすがめえめえ牧場のTさん、私の助っ人で1時間ほどで広さ2メートル×8メートルの柵を作り上げて羊を放牧した 山添ではもう見られない青々とした草の中に放牧された羊の食欲はすごい
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/0c/6d/906b4502d7b221e9ef5d5c8113c10f9f.jpg)
早急にさらに広い面積の柵を16日(金)に作成することに決定 この成果を見て公式にプランニングしていくが、今日までの成果だけでも、十分結果が見えてきている 早くテスト段階を卒業して正式にJRさんからGOサインをいただけるように頑張りたいな そうすれば近隣の幼稚園、小学校の児童たちとの触れ合いの場を提供してあげたりできるだろう
それにしても、若林さんの行動力には脱帽である。一日も早く正式スタートして、新たな「ソーシャルビジネス・モデル」を作り上げていただきたいものである。皆さん、これからも若林さんのブログ「梅香のつれづれ日記」にご注目ください!
※トップ写真は山添村観光協会のHPから、その他の写真は若林さんのブログから拝借した
羊たちの食欲は旺盛で、エサは牧場に自生する草だけでは足りず、他所から調達しているが、相当なコストがかかっている。一方県内各地では、線路や堤防の法面(のりめん)に生い茂る雑草の刈り取り作業に追われている。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/1e/01/35a2787c1b2ebd2b4e9511fdbf53edd2.jpg)
「この草を、羊たちに食べてもらえないだろうか」と思いついた人がいた。地域プランナー・コーディネータの資格を持つ若林稔さん(今井町町並み保存会会長)である。若林さんのブログ記事「今井町に羊の除草大使がやってきた」(11/9付)によると、
山添村のめえめえ牧場の羊を借りて、我が家の裏のJR堤防の除草をしてもらえないかこんな思いが届いたのか、10月28日 山添村の知人から1通のメールが届いた。
突然のメールで失礼ですが、お願いがございます 山添村の「めえめえ牧場」の羊に村の活性化に一役かってもらおうという企画をお話したことを覚えていてくださるでしょうか 具体的には、「草刈」をさせ耕作放棄地等の美化を図ることと、子供たちに羊と触れ合う機会を提供して感性を養うのに貢献すること等を考えています
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/08/c1/e632252edcfbd86e032a14533f53d30a.jpg)
というメールだ 1年前に地域プランナー・コーデイネ―ターの講習会で熱く語っていたことが口火になった感じだ さっそく29日16時に今井町を出発、山添村のめえめえ牧場に走った あまりにも早い行動だと大変驚かれたが、Tさんは好意的にいろいろと羊の習性などを教えてくださり、前向きな検討に入ろうと約束して帰った
並行してJRの管轄部署にも連絡をして、好感触を得たので、さっそく山添村の羊たちの活動の場を求めてJRの王寺鉄道部と 我が家の裏のJR桜井線の土手を使って羊による除草をテストしょうと、3者が11月3日午後13時から我が家で実行に向けての第1回目の打ち合わせをした
実現すれば、鉄道の土手の除草、河川敷の土手の除草と、無限の広がりの可 能性が生まれます 羊たちの牧草不足の解消、鉄道、河川敷の雑草地が移動牧場に変わるかもしれません
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/08/f0/5ea961ab28c3ae7ecfba048bf45c44d7.jpg)
しかし、ハンディが大きすぎる、まず問題点の洗い出しにかかったが、それぞれの分野ではエキスパートであっても、全く互換性が見つけることができない 幸い、元鉄道マンとして広く鉄道を見させていただいてきたおかげで、両者の通訳をしながら話し合った 結論的に現在の常識をそれぞれが打開してくれないといい話も前え進めないということを力説したその結果、を以下にまとめてみた
鉄道と羊
1、鉄道の除草対策
現在は人力(草刈り機)による除草が主体、人出不足、除草後の処理、経費の派生
2、羊を利用した場合
草を食べるので後始末がいらない、車窓から見える風物詩をつくれる、沿線PRのポスターなどを作れてイベントに成長させることが出来る、柵があるので子供たちも鉄道の至近距離まで近づくことが出来るので、鉄道への理解、憧れを教育できる
3、問題点
◆柵、夜寝る場所の確保、飲み水の補給…をしてほしい…これもやってほしい側が入り込まないと前には進まない。その中から助けてくれる人が出てくる。そんなサイクルを作っていく。
◆現段階では3~4頭貸し出しができるとのこと。(羊は基本的には村有なので管理責任者の了解がいる)
◆鉄道が草刈りをしなければならないというのが課題になっているが、草が食い終われる数の羊を持ってきて、イベントにすれば、鉄道、管 理者、地域などが共同で管理できる。日数を短縮するために羊の頭数を増やすことが必要
4、羊が電車に驚かないか
5、夜にさびしがって泣いて沿線から苦情が来ないか(多分初日に発生すると思う)
6、羊の食べる量を目安に、放牧範囲、期間を考える
最も大事なことは鉄道の安全圏を熟知して、その範囲内での放牧が基本条件
4、鉄道側
これまでの常識 遠い昔は、農家の牛、羊の飼料場であった 最近は人や動物を線路ぎわに近づけないのが常識になっている
5、牧場側
羊の移動許可はどうなっているのか、輸送と管理
6、その他
サイロ もしJRが草の処理に困っているならサイロ方式にすれば飼料になる。最難関の鉄道での放牧が成功すれば河川敷、黒滝、下北山など供給地は無限に広がり、奈良県の新しい牧畜産業が派生する
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若林さん宅でのテスト結果。ビフォー&アフター
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/5d/43/b8c217fc685967598e67299189e0fb3b.jpg)
でも、やっぱりすぐにJR堤防に放牧には懸念事項が多すぎるのでひとまず我が家の空間に放牧することとした 寝床の確保、飲料水の設置も終えていよいよ仮放牧開始 食べる食べる、実によく食べる 1日でこの状態 放牧前と比較すると改めて効果に驚き どこから聞きつけたのか、子供たちも集まってきて大人気、大人たちにも好評で早くも今度はいつ来るのとオファーも出ている
この効果を確認に来られたJRの管理部、運輸、施設、の現場長もその効果にびっくり、次のステップへ早急に行動を起こすことを確認しあった 早く夢が叶うことを願って全力投球しています 応援してください
これは面白い。羊のエサが無料で確保でき、しかも人力や動力(および燃料)を消費する草刈りと違って環境にもやさしい。子供たちも喜ぶ。まさに三方良しのアイデアである。考えてみれば奈良公園だって、鹿が雑草を食べてくれているのである。若林さんが「奈良県の新しい牧畜産業が派生する」とお書きのとおり、何か新しいビジネスモデルも生まれる可能性もある。何しろ日本で初めて酪農が行われたのは、この奈良県である(中国から乳牛が運び込まれた)。昨日(11/13)のブログ記事「羊さんいよいよJRの堤防の除草に始動」には、
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テストで放牧した我が家の除草は2日であらかた終了、たくさんの人が見物に来るようになったが肝心の草が無くなった JRの関係者のみなさんもこの効果にはびっくり、いよいよJR堤防でテスト放牧をしようということになった 12日10時に、JRの係員が列車監視に立って柵の製作開始、さすがめえめえ牧場のTさん、私の助っ人で1時間ほどで広さ2メートル×8メートルの柵を作り上げて羊を放牧した 山添ではもう見られない青々とした草の中に放牧された羊の食欲はすごい
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早急にさらに広い面積の柵を16日(金)に作成することに決定 この成果を見て公式にプランニングしていくが、今日までの成果だけでも、十分結果が見えてきている 早くテスト段階を卒業して正式にJRさんからGOサインをいただけるように頑張りたいな そうすれば近隣の幼稚園、小学校の児童たちとの触れ合いの場を提供してあげたりできるだろう
それにしても、若林さんの行動力には脱帽である。一日も早く正式スタートして、新たな「ソーシャルビジネス・モデル」を作り上げていただきたいものである。皆さん、これからも若林さんのブログ「梅香のつれづれ日記」にご注目ください!