やっぱりというか残念というか、奈良ビブレの跡地、マンションになるそうだ。今日(2/20)の新聞各紙が報じている。産経新聞奈良版(2/20付)「奈良ビブレ跡地 マンションに 不動産会社 店舗設置は必須条件」によると、
近鉄奈良駅(奈良市)近くで1月に閉店した商業施設「奈良ビブレ」の跡地利用問題で、土地・建物を所有する不動産会社「浅川ハーベストビル」(同市)は19日、マンション建設を前提に、開発事業者に土地を売却すると発表した。マンションには一部店舗も入居するという。現在の建物は取り壊され、マンションは平成27年春のオープンを目指す。
同社の浅川哲弥社長によると、当初は跡地利用としてホテル建設構想も浮上したが、建物への市の高さ規制が壁となり断念。昨年9月の土地取得以前から、市や市議会に規制の見直しを働きかけたが、実現しなかったという。浅川社長は「商店街の活性化には、商業施設を残したマンションが現実的な選択」と説明した。浅川社長は、まだ土地の売却契約が済んでいないことを理由に、売却先の開発事業者を明らかにしなかった。
同社によると、マンションは分譲。奈良ビブレ跡地の東側の小西さくら通り商店街に面した側の、少なくとも1~2階には商業店舗が入居する予定。業種は未定で、今後の計画次第では店舗部分が拡大される可能性もあるという。開発事業者との契約が成立後、2月末から約半年かけて現在の建物は解体。マンションは8月末の着工を目指す。
小西さくら通り商店街は、観光客向けの土産店や地元住民向けの食料品店などが混在する形で発展してきたが、近年は郊外への大型商業施設進出などで苦戦。市などの通行量調査によると、昭和55年時点と比較して歩行者などの通行量は約4割減少。周辺の商店街でも、商店の跡地へのマンション建設が進んでいる。商店街の空洞化への懸念について、浅川社長は「商店街の形成が保てないマンションでは意味がない。店舗設置は必ずの条件で、魅力ある店舗が入ることを期待する」と話している。
建物への高さ制限については《昨年9月の土地取得以前から、市や市議会に規制の見直しを働きかけたが、実現しなかった》とあるが、こんなところに高い建物が建ってしまっては、景観を著しく害することは明白だ。景観は奈良の大切な観光資源である。それを損なっては「観光都市・奈良」の名前が泣く。
読売新聞奈良版(2/20付)でも《市が景観を守るために定めた20メートルとする高さ制限が、より高いビルを建てて客室を多くしたいホテル側の思惑と合わず、ホテルの誘致を断念したとしている》《建物と土地を購入した「浅川ハーベストビル」の浅川哲弥社長(53)によると、土地取得に動き始めた3年前からホテルの誘致を目指して高さ規制の緩和を市などに求めてきたが、実現しなかった。浅川社長は「奈良市中心部の一等地が、商業施設やホテルにとっていまや魅力のない場所になっている。奈良を活性化するために何が必要なのかを行政に問いかけたい」と話した》。井岡正浩理事長(小西通商店街振興組合)も《「今後は高さ規制の緩和も含めてここをどうしていくのか商店主、行政、市民が一緒に考えていかなければならない」》と話している。
何だか「20mの高さ制限がある(行政が解除してくれない)→高いホテルが建てられない→だから奈良が活性化しない」という三題噺にしたいようだが、これはおかしい。そもそも、良好な景観があってこその観光都市・奈良なのだ。景観を害し、奈良の魅力をブチこわしてしまっては、観光客の訪れようもない。
私が奈良に住み始めて30年以上になるが、この間に住吉旅館、都ホテルなど三条通りの旅館、ならや、あぶらや旅館、好生館、猿沢ホテル、奈良ホテル別館(近鉄奈良駅ビル)、旅館大文字、魚佐旅館などが閉館した。著名な日吉館、大和山荘、聖都、ドリームランドホテル、三笠温泉郷の旅館、高円山上の宿泊施設なども閉館し、共済会館やまとなど公営の宿泊施設も減っている。1~2年に1館の割合で閉館しているのである。しかも、新しいホテルの誘致は難航している。これは高さ制限を行政が解除してくれないというレベルの問題ではなく、奈良の宿泊観光が抱える「構造的問題」なのである。ここにメスを入れなければ、宿泊施設は減りこそすれ、増えることはない。
ビブレがマンションになることが決まった今となっては、1階と2階にできる「店舗」に期待するしかない。東向商店街の「ふる里」は閉店し、今もシャッターが閉まったままである。東向と小西にあった老舗「寿し常」は業態転換した。東向の無印良品は、まもなく撤退する。これからどんな「奈良」にしていくのか、大きな設計図が求められる。
近鉄奈良駅(奈良市)近くで1月に閉店した商業施設「奈良ビブレ」の跡地利用問題で、土地・建物を所有する不動産会社「浅川ハーベストビル」(同市)は19日、マンション建設を前提に、開発事業者に土地を売却すると発表した。マンションには一部店舗も入居するという。現在の建物は取り壊され、マンションは平成27年春のオープンを目指す。
同社の浅川哲弥社長によると、当初は跡地利用としてホテル建設構想も浮上したが、建物への市の高さ規制が壁となり断念。昨年9月の土地取得以前から、市や市議会に規制の見直しを働きかけたが、実現しなかったという。浅川社長は「商店街の活性化には、商業施設を残したマンションが現実的な選択」と説明した。浅川社長は、まだ土地の売却契約が済んでいないことを理由に、売却先の開発事業者を明らかにしなかった。
同社によると、マンションは分譲。奈良ビブレ跡地の東側の小西さくら通り商店街に面した側の、少なくとも1~2階には商業店舗が入居する予定。業種は未定で、今後の計画次第では店舗部分が拡大される可能性もあるという。開発事業者との契約が成立後、2月末から約半年かけて現在の建物は解体。マンションは8月末の着工を目指す。
小西さくら通り商店街は、観光客向けの土産店や地元住民向けの食料品店などが混在する形で発展してきたが、近年は郊外への大型商業施設進出などで苦戦。市などの通行量調査によると、昭和55年時点と比較して歩行者などの通行量は約4割減少。周辺の商店街でも、商店の跡地へのマンション建設が進んでいる。商店街の空洞化への懸念について、浅川社長は「商店街の形成が保てないマンションでは意味がない。店舗設置は必ずの条件で、魅力ある店舗が入ることを期待する」と話している。
建物への高さ制限については《昨年9月の土地取得以前から、市や市議会に規制の見直しを働きかけたが、実現しなかった》とあるが、こんなところに高い建物が建ってしまっては、景観を著しく害することは明白だ。景観は奈良の大切な観光資源である。それを損なっては「観光都市・奈良」の名前が泣く。
読売新聞奈良版(2/20付)でも《市が景観を守るために定めた20メートルとする高さ制限が、より高いビルを建てて客室を多くしたいホテル側の思惑と合わず、ホテルの誘致を断念したとしている》《建物と土地を購入した「浅川ハーベストビル」の浅川哲弥社長(53)によると、土地取得に動き始めた3年前からホテルの誘致を目指して高さ規制の緩和を市などに求めてきたが、実現しなかった。浅川社長は「奈良市中心部の一等地が、商業施設やホテルにとっていまや魅力のない場所になっている。奈良を活性化するために何が必要なのかを行政に問いかけたい」と話した》。井岡正浩理事長(小西通商店街振興組合)も《「今後は高さ規制の緩和も含めてここをどうしていくのか商店主、行政、市民が一緒に考えていかなければならない」》と話している。
何だか「20mの高さ制限がある(行政が解除してくれない)→高いホテルが建てられない→だから奈良が活性化しない」という三題噺にしたいようだが、これはおかしい。そもそも、良好な景観があってこその観光都市・奈良なのだ。景観を害し、奈良の魅力をブチこわしてしまっては、観光客の訪れようもない。
私が奈良に住み始めて30年以上になるが、この間に住吉旅館、都ホテルなど三条通りの旅館、ならや、あぶらや旅館、好生館、猿沢ホテル、奈良ホテル別館(近鉄奈良駅ビル)、旅館大文字、魚佐旅館などが閉館した。著名な日吉館、大和山荘、聖都、ドリームランドホテル、三笠温泉郷の旅館、高円山上の宿泊施設なども閉館し、共済会館やまとなど公営の宿泊施設も減っている。1~2年に1館の割合で閉館しているのである。しかも、新しいホテルの誘致は難航している。これは高さ制限を行政が解除してくれないというレベルの問題ではなく、奈良の宿泊観光が抱える「構造的問題」なのである。ここにメスを入れなければ、宿泊施設は減りこそすれ、増えることはない。
ビブレがマンションになることが決まった今となっては、1階と2階にできる「店舗」に期待するしかない。東向商店街の「ふる里」は閉店し、今もシャッターが閉まったままである。東向と小西にあった老舗「寿し常」は業態転換した。東向の無印良品は、まもなく撤退する。これからどんな「奈良」にしていくのか、大きな設計図が求められる。