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tetsudaブログ「どっぷり!奈良漬」

コロナも落ちつき、これからが観光シーズン、ぜひ奈良に足をお運びください!

インバウンド旋風!? 観光地奈良の勝ち残り戦略(95)

2015年06月18日 | 観光地奈良の勝ち残り戦略
日経MJの6月10日(水)号で、「2015年上期ヒット商品番付」が発表された。東の横綱は、何と!「インバウンド旋風」(西の横綱は「北陸新幹線」)。2014年の横綱は「インバウンド消費」だった。「同じやん!」「正直に“爆買い”と言うたら!」とツッコミを入れたくなるが、まぁそれほど中国人を中心とした「爆買い」の威力がすさまじいということなのだろう。

「寸評」には《1~3月の訪日外国人の消費額は7066億円と前年同期比64%増。食品、日用品の大量購入に加え、地方の観光地にも経済効果》とある。さらに同紙1面トップ記事「新旋風 消費ふわり」によると、

東の横綱は「インバウンド旋風」。一層の円安をてこに、1~4月の訪日外国人客は589万人と、前年同期比で4割以上も増えた。特にお土産類の「爆買い」は圧巻。ドラッグストアでは青汁などの健康食品、家電量販店ではステンレスボトルや温水洗浄便座などが大量に買われた。訪日客の1~3月の買い物額は前年同期の2倍近い2972億円に達している。

日本人が何気なく使っている商品やサービスに価値を見いだし、イチゴ狩りや寒ブリ漁など、郊外や地方を訪れる観光客も増加。クルーズ船の来航も増えた。まさに「旋風」の勢いで全国に広がり、日本の景気を支えてくれた。


手回しよく6/9(火)の「ワールドビジネスサテライト」が特集を組み、高橋進(日本総合研究所理事長)が、「インバウンド旋風」は横綱の中でもダントツに強い横綱で、何年も横綱の地位を占め続けるだろうと評していた。番組にはラオックスが登場。「1-3月期の売上は、前年同期の2倍」なのだとか。番組中の銀座に来た外国人観光客100人へのアンケート調査でも、「行きたいお店」のトップがラオックスだった。

しかしラオックスは2009年に中国の大手家電量販店チェーンの「蘇寧(スニン)電器」傘下に入り、テレビに出ていた社長の羅怡文氏も中国人。中国マネーが日本の中をぐるぐる回っているという様相なのだ。かつて海外で大橋巨泉が経営する「OKギフトショップ」に日本人がたむろしている、という話があったが、今回それを思い出してしまった。

爆買いの背景には中国人の「山分け買い」があるという。知人や親戚の分まで買うから、あんな爆発的な購入額になるという話だ。

そんな「爆買い」は、当初はマイナスイメージで報道されていたが、いつの間にかプラスイメージに変わり、「日本の景気を支えてくれた」と語られるようになった。分岐点は、2014年ヒット商品番付で「インバウンド消費」が横綱になった頃か。

「爆買い」が長期低迷を続ける国内消費の「カンフル剤」としてもてはやされるのは否定しないが、カンフル剤は、あくまでも一時的な強心剤。目先の効能ばかりに気をとられていてはいけない。何より、海外客を優先して日本人客をないがしろにしたり、本来の品揃えやサービスを怠っていては、元も子もなくなる。

香港では「爆買い反対」のデモが起きている。産経ニュース(3/2付)の《中国本土からの“爆買い”に反発「香港の抗議デモ隊」が警官隊と衝突、33人逮捕…「乳幼児用粉ミルク買い占めるな」》によると、

香港郊外の繁華街で1日、中国本土から押し寄せて乳幼児用粉ミルクや日用品などを大量購入する“爆買い”に反発した約100人のデモ隊と警官隊が衝突した。デモ隊側は、買い物の大半が中国本土での転売が目的で、価格の高騰や品不足を招いたと非難しており、規制を求めている。

一時の「トイレットペーパー騒動」を思い出すが、あれは日本人同士の取り合いだった。狭い香港に中国本土から「爆買い隊」が押し寄せてきてはたまらない。

日本での、そして奈良での「インバウンド旋風」、手放しで礼賛するのではなく、シッカリと目を光らせていた方が良さそうだ。

コメント (8)
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