南都銀行の社内報「なんと」の「お久しぶりです(退職された方からのお便り)」のコーナーは、同行OB・OGの皆さんが、元気で活躍されている姿がわかるので、いつも真っ先に拝読している。その299号(2022年夏・秋号)では3人のOB・OGが、現況を綴っておられた。
※トップ画像は、毎日新聞奈良版(2022.4.29付)
上窪良二(うえくぼ・りょうじ)さんは、多忙な銀行勤務の傍ら、奥さんのご協力を得ながら、吉野町のご自宅兼工房(上窪和紙)で美栖紙(表具用手漉き和紙)を作り続け、今年の春の叙勲では「旭日双光章」を受賞された、おめでとうございます!「なんと」299号では、
伝統の紙漉(かみす)き、妻と共に
上窪 良二さん
昭和37年入行 平成13年退職
銀行を退職して21年になります。退職後5年あまり桜井木材協同組合へ出向し、平成17年より家業の和紙製作に専念しています。私が勤めている間、妻が両親と共に仕事に従事し紙漉きの技術を習得しました。
表具用手漉き和紙「美栖紙(みすがみ)」の製作は、原料を吟味し伝統的な製法を守り、ほとんどが手作業の手間ひまのかかる作業ですが、今も伝統的な製法を厳格に守って製作しています。
美栖紙はどんな所に使われるのですかとよく尋ねられますが、そのほとんどが掛け軸や巻物の文化財の修理に使われます。
最近、美栖紙が使われた修理のなかでは、誰もがよく知っている国宝「鳥獣戯画」の修理が5年間かけて行われました。今回、全面修理でしたので古い裏打ち紙をすべて取り除いて新たに表装されましたが、私の製作した美栖紙も裏打ちに使われました。
作品にもよりますが、200年~300年に一度こうして修理を行い大切な文化財を後世に残して行く努力がなされています。日本の文化財を支える重要な和紙の一つを家業として永年漉かせてもらっています。
また、表具に関する材料や用具を作る技術者の団体「一般社団法人伝統技術伝承者協会」の創立から役員としてかかわり、理事長も務めさせていただき業界の発展に取り組んできました。
今回、図らずも「旭日双光章」拝受の栄に浴し、改めてこの仕事の重要性を評価していただき大変うれしいことと思っています。今後は後継者の育成に力を入れ、一層精進して文化財の修理・保存に貢献できるよう、妻と共にもう少し頑張りたいと考えています。
このように退職後も仕事を中心とした生活ですが健康であることに感謝しています。
※トップ画像は、毎日新聞奈良版(2022.4.29付)
上窪良二(うえくぼ・りょうじ)さんは、多忙な銀行勤務の傍ら、奥さんのご協力を得ながら、吉野町のご自宅兼工房(上窪和紙)で美栖紙(表具用手漉き和紙)を作り続け、今年の春の叙勲では「旭日双光章」を受賞された、おめでとうございます!「なんと」299号では、
伝統の紙漉(かみす)き、妻と共に
上窪 良二さん
昭和37年入行 平成13年退職
銀行を退職して21年になります。退職後5年あまり桜井木材協同組合へ出向し、平成17年より家業の和紙製作に専念しています。私が勤めている間、妻が両親と共に仕事に従事し紙漉きの技術を習得しました。
表具用手漉き和紙「美栖紙(みすがみ)」の製作は、原料を吟味し伝統的な製法を守り、ほとんどが手作業の手間ひまのかかる作業ですが、今も伝統的な製法を厳格に守って製作しています。
美栖紙はどんな所に使われるのですかとよく尋ねられますが、そのほとんどが掛け軸や巻物の文化財の修理に使われます。
最近、美栖紙が使われた修理のなかでは、誰もがよく知っている国宝「鳥獣戯画」の修理が5年間かけて行われました。今回、全面修理でしたので古い裏打ち紙をすべて取り除いて新たに表装されましたが、私の製作した美栖紙も裏打ちに使われました。
作品にもよりますが、200年~300年に一度こうして修理を行い大切な文化財を後世に残して行く努力がなされています。日本の文化財を支える重要な和紙の一つを家業として永年漉かせてもらっています。
また、表具に関する材料や用具を作る技術者の団体「一般社団法人伝統技術伝承者協会」の創立から役員としてかかわり、理事長も務めさせていただき業界の発展に取り組んできました。
今回、図らずも「旭日双光章」拝受の栄に浴し、改めてこの仕事の重要性を評価していただき大変うれしいことと思っています。今後は後継者の育成に力を入れ、一層精進して文化財の修理・保存に貢献できるよう、妻と共にもう少し頑張りたいと考えています。
このように退職後も仕事を中心とした生活ですが健康であることに感謝しています。
