※現在、6月15日(土)催行分のみ、受付中です!
NPO法人奈良まほろばソムリエの会と奈良交通のタイアップツアー「奈良まほろばソムリエと 歌って巡ろう!大和路・万葉の旅」の第2弾
初瀬・桜井コースが、いよいよ6月8日(土)と15日(土)の両日、開催される。このツアーは、犬養節(故犬養孝氏が万葉集を詠んだ独特の節回し)で、お客さんと一緒にゆかりの万葉歌を朗唱しながら各地を巡る、というスペシャル・ツアーである。
※トップ写真は
古事記をめぐるバスツアー。向かって右が雑賀耕三郎さん、左は津山進さん(2012.12.1)
奈良まほろばソムリエの会では、犬養孝著『万葉の旅(上)大和』をテキストに3ヵ月間・4回の勉強会を開催し、また犬養氏のCDを繰り返し聞いて犬養節を身につけた。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/20/c7/c73b1a5724fba1d56900dc9aa087a744.jpg)
犬養万葉の第1弾
明日香コース。メインガイドは露木基勝さん(向かって左)、サブは亀田幸英さん
奈良交通のHPによると《万葉集の巻頭に、泊瀬朝倉(はつせのあさくら)宮に皇居のあった雄略天皇の作といわれる求婚の歌が登場します。このコースでは、万葉びとの心情で初瀬・桜井をたどります》というツアーである。コースは、
各のりば(近鉄・JR奈良駅)=檜原神社…井寺池=昼食(三輪茶屋)=大神神社…(山の辺の道)……海石榴市(つばいち) =雄略天皇宮址(車窓)=…舒明天皇陵・鏡王女陵…=聖林寺=大和八木駅(17:30頃)=各のりば(近鉄・JR奈良駅)※山の辺の道…徒歩 約3km
メインガイドは両日とも、雑賀耕三郎さん。雑賀さんはソムリエの会が誇る「カリスマガイド」である。サブガイドは大山恵功さん(6/8)と前田昌善さん(6/15)。6/8には、私もサポーターとして同乗する。ランチは「三輪茶屋」(三輪そうめん山本)で、「白龍」の冷やしそうめんをいただく。雑賀さんは、ご自身のブログ「 奈良・桜井の歴史と社会」の記事
大和路 万葉の旅は6月8日(土)と15日(土)で、このツアーのことを紹介されている。一部を抜粋すると、
今度のツアーは檜原神社(井寺池)、大神神社、海石榴市、忍阪(おっさか)と万葉集の発祥の地である。万葉集は4000首あまりの歌がおさめられているが、その第一番の歌は桜井の初瀬谷、泊瀬朝倉に宮を置いたという雄略天皇によるものである。「籠もよ み籠もち ふくしもよ みぶくしもち」である。
雄略天皇の歌は、伝承の歌とみられており、実質的な第一番は舒明天皇の「大和には 群山あれど とりよろふ 天の香具山登りたち・・・」であろう。この舒明天皇の陵が忍阪に鎮まっているのである。僕はこの陵の前で、この歌を力をこめて歌わせていただく。万葉集には大きな女性の感性と力が込められている。僕に言わせれば、「女性が輝き、力を示した万葉集」ということである。
仁徳天皇(16代,400年)の磐之媛皇后の歌も忘れてはいけない。天皇がほかの后を求めることに激しく抵抗し、深い愛情を示した歌が4首、収録されている。巻2の冒頭にこの歌は配置されており、そして「君が往き け長くなりぬ山たづね 迎えかゆかん、待ちにかまたん」が忍阪にかかわりのある歌なのである。
この大和路・万葉の旅のツアー、桜井コースは犬養孝先生の『万葉の旅』を土台にして、現地を訪れて、「万葉集の発祥」と「女性が輝き、力を示した万葉の時代」を直接感ずるツアーにしようと準備をすすめている。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/28/93/6bdfd0adfb3857ba0956dcbe98748a46.jpg)
ササユリ。写真は雑賀さんのブログから拝借
サプライズとして大神神社、ササ百合園が見ごろを迎えることである。こんな百合の花を見ながら、「道の辺の草深百合の花咲(えみ)に 咲(え)まししからに 妻といふべしや」(巻7-1257)を歌ってみよう。
8日まで、もう2週間しかありませんが、ご日程やりくりできませんか?お待ちしております。
雑賀さんは5月18日(土)、サブガイドの大山さんと2人で、本番さながらの「予行演習」を実施された。
奈良交通とまほろばソムリエの万葉の旅で紹介されている。
出発はいずれも近鉄とJRの奈良駅である。今回は奈良からガイドする。一番初めは巻向山に入る車谷で、奈良から40分、ここまでに皆さんと交流を深める。僕は檜原神社、井寺池からお話を始める。井寺池、ここが大きなポイントであることは衆目の一致するところである。
万葉集ではないが、ここは倭武尊命(ヤマトタケルノミコト)が歌い(古事記)、川端康成が揮毫した「大和は国のまほろば たたなづく青かき 山ごもれる 大和し美(うるわ)し」の歌碑がある。倭武尊の歌であり、川端康成の揮毫であり、歌碑の形といい話題は大きく、数多い。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/54/b0/0188853dc5d4cd336e74d377b226d29d.jpg)
井寺池。写真は雑賀さんのブログから拝借
これが歌える。教えてくれた人がいた。誰? 犬養孝氏である。「作曲家の黛敏郎君(犬養孝の教え子である)と一緒に前総理の佐藤栄作さんご夫妻をここに案内したことがあった。…大和はくにのまほろば…を合唱しましょうと申したところ、われわれだけで誰もいなかったからだろうか、みなみな天真爛漫、心ゆくまでうたいあげた」犬養孝著『万葉十二ヵ月』(新潮文庫)とある。やってみると、これが意外にうまくゆく。これは盛り上がるだろう。
そんな感じで、今日(18日の土曜日)、サブで参加してくれる大山さんと二人で練習ツアーを行ってきた。大山さんはいろいろ勉強しているが、どうも犬養節が苦手だという。「どうしてもうまくいかない」というので、僕も音痴だが一緒に歌ってみた。犬養節のポイントは第2句の出足の切れ味だと僕は思う。大山さんはそこが冗長だった。
大山さんは歌を解説、紹介して3首くらいを歌唱指導して皆さんとともに歌うことになる。「紫は灰さすものぞ 海石榴市…」を朗唱する大山さん。練習の成果も出て、ここらあたりではもう自信タップリである。最後に仏教伝来の碑の前で朗詠する大山さん。今日のお客は僕一人だ。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/4b/a8/519056cc6a9c3885599f6e419651a27b.jpg)
古事記をめぐるバスツアー(2012.12.1撮影)
カリスマの指導で、大山さんも犬養節をマスターされたようである。めでたし、めでたし。私見では、「犬養節」は文化遺産である。しかし今、犬養節を知っている人は少数派となった。ましてや、朗唱できる人は少ない。犬養氏がお亡くなりになって、まだ15年しか経っていないというのに…。このツアーは、犬養氏の「万葉旅行」を再現し、犬養節という文化遺産を後世に伝えていこうという試みなのである。すでに2年分・12のコースを用意している。
いよいよ本番は6月8日(土)と15日(土)。皆さん、ぜひお早めにお申し込みをお願いします! 奈良交通のHPは、
こちら。ネット予約は、
こちら。電話の場合は、奈良交通 総合予約センター 営業時間 8:30~19:00(年中無休)TEL:0742-22-5110へ。お急ぎください!