タガメだと思っていたらコオイムシだったヤツの脱皮が一昨日だった。今日はその水槽でアメリカザリガニが脱皮をしていた。もしかして・・・と嫌な感じがしたが、つかんでみたらぬけがらだった。『ぬけがら』は変換すると抜殼と脱殻のほかに蛻という字がある。〈もぬけ〉とも読むそうで蛻の殻がそれ。蛻るという動詞もあるそうで言葉は奥深くて面白い。
脱皮どころか脱線をすぐしてしまう。脱皮したザリガニは、近くの水草に隠れていたので触ってみると殻が柔らかくてこころもとない。この脱殻はヤツラにとっては大事なカルシウムなので、脱皮してないもう1匹との中間点に置いた。そうすれば、脱ぎたて裸状態を襲われることも避けられるだろう。
ミナミヌマエビも捕まえたばかりのヤツがバケツの中で脱皮したりする。脱ぎたい状態だったというより、激変した環境になれるため脱皮するのだというような説明を読んだことがある。
ある安定した環境のなかで十分に体力がつきステップアップとしての脱皮なら爽やかなイメージだ。しかし、激変した身の上に心身を添わせて生き抜こうという決意も脱皮なのだ。そのように考えたら、どんどん妖しげなイメージというか、切ない物語も思い出すではないか。
そう、昆虫や甲殻類の脱皮のことである。タガメ改めコオイムシは昨日からサカマキガイをしっかりかかえこんでいる。サカマキガイならいくらでも吸い取ったらよい。今朝も尻だけ水面に出して呼吸を確保しながらサカマキガイを抱いている。もう2匹目か3匹目か・・・。食料豊富だから仲間を連れてきて、背中に卵を背負う姿を見てみたい。♀が♂の背に産み付けるそうで、哀しくも健気な雄のサガが見られるかもしれない。