見たことのない、水草のような岸辺の草のような変った草を、溜池で何となく採ってきて一年近く育てた。緑に白い粉がまぶされたような、青に近い色が面白い。水面から立ち上がっている一本だけを、縮尺を無視で眺めれば、なかなかに美しい樹形だ。葉は草だから柔らかい。すぐに駄目になるだろうと思いながらタライに入れていたら冬も越してしまった。
春には、スズメ蛾の幼虫(イモムシ)一匹に、あわや葉を食い尽くされるところだった。茶色くて奇麗ではないネジレ模様系のイモムシだった。もう少し大きくなったら画像に撮ろうと思ってるうちに居なくなった。どこかで蛹になったか、それとも野鳥にやられたかのどちらかだ。葉はすぐに回復して繁った。
溜池で見たような群生ふうにどうしてもならない。箱庭の針葉樹林をイメージしたのに茎がやたらに伸びてタライから垂れてはびこる。花でも咲くかと期待したがそれもない。ボウフラ対策に入れているヒメダカには何の影響もなさそうだが、水が黒っぽくドブのようになるし、どうしたもんかなぁと手詰まりになっていた。
それが昨夜ネットを色々見てるうちに、ふと見つけてしまった。これも北米原産の生態系を乱すやつだという。雌株だけが日本に定着して結実はしないけれど、茎はぐんぐんのびるし、千切れては距離をかせいで殖えていくんだそうだ。許可無しでは、栽培も移動も販売も禁止されてるんだとか。
ハイハイ、そうですかそうですか。だったら持って帰ってくれますか? なんにも知らなかったんです。ちょうど持て余してたんですから。イエイエ、よそ様に分けたりしてません。ここだけで何となく見てただけなんですから。まぁ移動も栽培もしたと言われりゃそうですが、誓って販売はしてません。どうぞすっかり持って帰って下さいな!
なんて・・・もし咎められたら居直るしかない。もう模擬針葉樹林ジオラマはあきらめて捨ててしまおうか。オオカナダモが今は毎日花を咲かせている。こいつも北米原産で繁殖力はすごい。兵庫県の水族館ではミシシッピーアカミミガメ(ミドリガメ)を捕まえて持っていったら入館料をただにするとか何とかいうニュースもあった。北米がはびこっているこの頃だ。