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空にいるような軽い気分で・・・

盲亀カメリアの近況(その18) 《下あご無し顔も欠けて片目の亀》から改題

2010年08月04日 17時22分15秒 | 盲亀カメリアの近況
激変である。今朝いつものように緑糞を二つしていた。いつもはマリモ状だが、一つだけ大きくてダルマ状というかマガタマ状というか、とにかく大きくて変形していた。さて毎朝恒例になった水換えをするのに、カメリアを玄関に放す。糞二つの他にモヤモヤも一つあった。四角いプラケースをひしゃく代わりにして水をバケツにくみ出す。水は栄養水として植木鉢に施す。

水槽を立てて水の残りを流す。汲み置きの水を少しだけ使って中をすすぐ。亀島代りのレンガと大石を入れる。これは各二つずつあって、取り出したものは外で干す。前日とりだして日光消毒済みのものを入れる。そして汲み置き水を入れたら水換え終了。

カメリアはと見れば、玄関の奥に行くこともあればじっとしていることもあるけれど今日は積極的。外に出てくる。微妙に障害物を避けているところをみるとうっすらと視え始めているのか? でも手をかざしてみるとぶつかったから、見えてるとしても薄ぼんやりか・・? しょっちゅう眼をこするし、眼がただれていてふさがっている感じだったのが、眼球がわかるほど開いていることもあるから回復しつつあるのかも知れない。

段差のところまできて、以前はそこからダイビングしてひっくり返ったこともあったが、今日はダイブしそうに見せて寸止めする。後ずさりしたあと横に向かう。思わず墜ちるのを手で受けようと差し出したが、ヒトの気を引いただけで思いとどまるところがニクイ。

新しい水になった水槽にジャブンと帰す。いつものようにカメの餌三種類をパラパラと適当に入れてやる。カメリアを帰すと、ヤツは手足も首も甲羅に引っ込めたまましばらくじっと様子をうかがう。やがてのそのそと動き回り始めて全体を確認しつつ、また脱走を謀る行動をいつもならとるのだが、今日は違った。隅に行って立ち上がるのをしないで、ガラス面に鼻面が当ったあと首を少し引っ込めてから突き出したのだ。コツンとガラス面に当てたのだが、それが何かに食いつく仕草に見えた。

もしかしてこれは・・・と長時間観察した。浮いている餌は自然にガラス壁に寄ってくる。ガラス壁に鼻面が当たるたびに食いつき動作を繰り返すカメリア。下あごが無いので、うまくいくことは10回に1回位だが、確実に餌をとらえて飲み込んでいる。一度口に入っても、舌の動きとうまく連動しない時は又ぷくっと餌は出てきてしまうようだ。しかし確実に食餌している。初めて見た。見せてくれた。

こうなると俄然介助も楽しくなる。カメリアの動く先々に、散らばって浮いている餌を持っていく。カメリアは首の突き出しを飽きず疲れも知らずに繰り返す。すばらしい・・・もうカメリアは大丈夫・・・と私も朝飯を食べ、他の用事もした後でカメリアを見て驚いた。ほんの二・三粒でもまぐれ当たりで食ったら良しという感じでいつも撒いていたかなりの量を、ほとんど全部食い尽くして、おまけに茶色い糞までしているのだ。

食べてすぐに糞にするのか? そんなはずはない。私が知らなかっただけで、ここ二・三日うちに徐々に食うコツをつかんでいたのかも知れない。餌の粒を数えてもいないし、沈んだのが踏まれてばらけたら数もわからないし餌のよごれもあったから、まぐれ当たりの食いでもせいぜい二・三粒と思っていたのだ。今朝はそれが全部を食い尽くす勢いだ。

レンガや大石の裏に回りこんでしまったのは出してやる。ガラスに当っても、石に当っても鼻面の突き出しを繰り返している。今までは、水槽の角にぶつかると立ち上がって這い登ろうとしてはひっくり返っていたのに、なんという心境の変化。今は壁に当ったらそこに首を突き出して何でも食いつくそうとしているようだ。

方針を変えたのだ。もう虹の向こうに幸いを探しに行こうとするのはやめよう。どうせ逃げられないのなら食いつくしてやる。手当たり次第・・・鼻面に当たり次第、首を突き出してやる! 生きる気力がみなぎっているのだろうか。諦観か或いは自棄か。などと想ってしまうところだが、ふとしたはずみに下あごがなくても食う方法に気付いてしまったということなのだろう。

乾燥イトミミズの四角いブロックを半分にしてやったら、これもふやけたところで見事に食いつき飲み込んだ。さてこれからはどのくらいの餌の量がいいか悩みそうだ。それにきっと大量の糞をするのだろう。生きもの飼育というのは何といっても食餌と排泄が基本の基本だ。食餌も確認したし正常糞も得たということで、カメリアとの新しい生活が始まる。(カメリアが来てから249日目)

コメント (4)
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