■ 外壁は同じ設計者による茅野市民館と同様、縦長の壁面とガラス面を交互に繰り返して構成している(前稿の写真参照)。
さて、再度特徴的な屋根についてだが、このような曲面を構成するのは難しい。鉄筋コンクリート造と鉄骨造、どちらも設計も大変だが、施工も大変だ。ちなみにこの図書館は鉄骨造。仕上げは金属板(材質は分からない)の一文字葺き。このもっこり屋根のてっぺんあたりは水仕舞が出来るんだろうか。用心深く下地の段階でもきちんと防水しているだろう。
ところで図書館は蔵書の全貌が一度に見渡せることが望ましい、と私は思う。「知の総体」に身を置きたいという欲求を満たしてくれる空間。そこで思い出すのが、アスプルンド設計のストックホルムの図書館だ(関心のある方は「アスプルンド」と「図書館」の2語で検索してみて下さい)。
調べてみると小布施のこの図書館は床面積が約1,000㎡、屋根の形そのままの天井を杉の角材で仕上げている。 樹をモチーフにしたと思われる何本かの「枝付き鋼管柱」が立っているだけで、内部を仕切る壁は無い。前述の意味でなかなか好ましい空間だ。
今回はちょっと立ち寄っただけ、次回は内部空間をじっくり体験したい。