透明タペストリー

本や建築、火の見櫓、マンホール蓋など様々なものを素材に織り上げるタペストリー

文字になった龍

2010-07-24 | F 建築に棲む生き物たち


棲息地:茅野市 観察日:100724

 前稿に書いた通り、藤森照信展(←美術館のHP)が茅野市美術館で始まった。今日、茅野市美術館が入っている茅野市民館のマルチホールで「路上観察学会 物件品評会in茅野」が行われた。学会のメンバー、藤森照信、赤瀬川原平、南伸坊、林丈二の各氏が茅野市内で路上観察してカメラにおさめた物件を品評した。

茅野は蔵の街。藤森さんが「蔵ワッペン」と名付けた妻飾り(妻壁の面より突出する地棟の端部を漆喰細工で飾ったもの)も何例か紹介された。

あまり熱中して熱中病になるといけないので注意しながら市内を生き物捜し。で、蔵ワッペンに棲む龍を見つけた。龍は縁起の良い生き物。妻飾りのモチーフにしばしば使われるが、このように文字になるケースが多い。これは勢いのある「龍」、達筆だ。モノトーンのなかなか渋い妻壁のデザイン。

メモ)文字化け(?)する前の龍を以前山形村で見かけた。観察に出かけなくては・・・。

 


藤森照信展@茅野市美術館

2010-07-24 | A あれこれ
 藤森照信展「諏訪の記憶とフジモリ建築」が茅野市美術館で始まりました(8月29日まで)。初日の今日(24日)、早速出かけてきました。


藤森照信展のポスター 茅野駅にて

展覧会の目玉はやはりこれでしょう。「空飛ぶ泥舟」。空中に浮かぶ茶室です。



とうとう藤森さんは茶室を空中に浮かべてしまいました。写真を撮っていると「これは何ですか?」と通りがかりの人に訊かれました。「これは茶室です」と私。「いったいどうやって入るんですか?」と更に訊かれました。答えが下の写真に写っています。そうです、梯子をかけて上って入ります。「高過庵」(上のポスターに写っています)と同じですね。日常から非日常な世界へ導入する見えない露地。

人が入る度に「空飛ぶ泥舟」は揺れていました。

ここで泥舟に入っていった女性のひと言とかけまして、桜田淳子のヒット曲とときます。
で、その心は・・・       「ゆれてる私」



泥舟の両側にワイヤが写っていますから、吊っていることは分かりますね。吊り構造による浮かぶ宮崎駿的魚。藤森さんのスケッチにはクジラ形と記されていました。市民参加によるワークショップでつくられたそうですが、プロの仕事の部分は高過庵のときと同じように、藤森さんの幼馴染みのメンバーが担当したそうです。



展覧会場にはデビュー作の「神長官守矢史料官」はじめ、「タンポポハウス」、「ニラハウス」、「秋野不矩美術館」、「一本松ハウス」、「一夜亭」、「焼杉ハウス」、「養老昆虫館」、「チョコレートハウス」、「入川亭」などの写真や模型などが展示されています。おすすめです。

メモ)
・アメリカの雑誌「タイム」に世界でもっとも危険な建築トップ10がリストアップされ、高過庵が堂々9位に入ったそうです(因みに第1位はピサの斜塔だそうです)。オープニングセレモニーの挨拶で藤森さんが紹介していました。
・8月22日に伊東豊雄さんと藤森さんのトークセッション「諏訪の記憶、21世紀の建築」が同館で行われます。

子宝に恵まれますように・・・

2010-07-24 | B 石神・石仏

松本市内田にて  

 集落の辻などに祀られている道祖神は塞の神とも呼ばれ、外来の邪悪なものを塞ぎる、厄除けの願いが込められているとされる。道祖神には五穀豊饒、子宝・安産、子孫繁栄などの願いも込められている。「塞」を「幸」とを結びつけて祀ったという(*1)。

道祖神をいままで何体も取り上げたが、男神女神の双体神が大半だった。中にはかなりエロティックな表現のものもある。この道祖神には子宝に恵まれますように、との願いがストレートに表現されている。昭和初期の建立。

*1参考文献 『道祖神』降旗勝次編/鹿島出版会 昭和50年発行

メモ)第1900稿。