透明タペストリー

本や建築、火の見櫓、マンホール蓋など様々なものを素材に織り上げるタペストリー

風見鶏

2010-07-07 | A あれこれ


長野県朝日村にて 100707

 方形(ほうぎょう、四角錘の形)の屋根の頂部、てっぺんには何か飾りたいという心理がはたらくのでしょう。棟包みで納めてオシマイ、ということにはならないケースも多々あるようで、この建物の屋根には風見鶏と風速計が設置されています。

屋根のてっぺんの風見鶏というと例えば神戸や横浜、函館などの洋館が似合いそうですが、山里の村の建物にはちょっと不似合いのような気がします。では、他に何がある? と問われても答えに窮しますが。

もっともこの建物は農作物の苗を育てるJAの温室の付属施設ですから、単なる飾りではなく風見鶏も風速計も苗の管理上必要なものだと思います。

それにしてもなぜ風見「鶏」なんでしょう・・・。きっと理由があるのでしょうね。

支柱をどのように納めてあるのかこの写真ではよく分かりません。屋根下地に固定してあるのなら、雨仕舞が気になりますが、もう何年も経過しているようですからその点は問題ないのでしょう。

「てっぺん」や「はしっこ」のデザインにはこれからも注目です。


塔の先端

2010-07-07 | A あれこれ





 上は先日取り上げた東京国立近代美術館工芸館の塔、下は松本市内の建築の塔。下の塔は機能上必要なものなのか、設計者がこの建築には塔が必要だと考えただけなのかは分からない。

工芸館の塔は上へ上へ、上方志向のデザイン。一方下の塔はシンボリックなデザインだが、頂部の屋根の勾配が緩やかで上方志向は感じられない。

避雷針が立てられているのは建築基準法第33条に「高さ20mをこえる建築物には、有効に避雷設備を設けなければならない(ただし書き省略)。」という規定があるから。

ふたつの塔の印象は随分違う。塔は建物全体のデザインとの整合が図られていなくてはならない。設計者が恣意的にデザインしてもバランスを欠くことになる。その意味でふたつの塔のデザインは好ましい。

塔に限らない、部分のデザインは常に全体のデザインとの整合性を意識しなくてはならない。