透明タペストリー

本や建築、火の見櫓、マンホール蓋など様々なものを素材に織り上げるタペストリー

454 塩尻市日出塩の火の見櫓

2013-12-15 | A 火の見櫓っておもしろい

 
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 山あいを縫う木曽路は日出塩で終わる。過日木曽町で所用を済ませ、塩尻方面に向かって日出塩を走る車の窓外にこの火の見櫓を見つけた。で、今日(15日)観察してきた。

JR中央西線の日出塩駅前に立っている火の見櫓。梯子段の段数と間隔から高さを概算する方法により、見張り台までの高さが約10メートルだと分かる。総高13メートル程度、大きい部類に入る火の見櫓。



屋根の頂部には避雷針と飾りが、軒には蕨手が付いている。見張り台やその直下もきちんとしたつくり。櫓にスピーカーが付けてあるのは残念だが仕方ない。



脚部。櫓の3本の柱はなめらかなカーブを描いて末広がりになっている。トラスはきちんと脚の根元まで伸びているし、脚の付け根はアーチ状になっている。柱とアーチ材を結ぶ部材は三角形を構成している。

これで脚部のチェックポイントは全て○。ということで評価は少し甘いかもしれないが★★★★★

なかなか美しい火の見櫓。減点するとすれば屋根。扁平していることと見張り台に対して少し小さいことだ。


火の見櫓 みんなちがって みんないい 


山形県 旧朝日村の茅葺き民家(再掲)

2013-12-15 | A あれこれ

民家 昔の記録 

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■ 山形県東田川郡朝日村(現在は合併して鶴岡市になっています)は庄内地方と山形地方を結ぶ六十里越街道に沿う山村です。江戸時代、この村の田麦俣には出羽三山参詣の足溜まりとして宿屋を営む家が何件もあったとのことです。この田麦俣という地名は民家の本には必ず出てきます。

この地方の農家の多くは明治以降に養蚕農家に転じたのでしょう。養蚕に必要な通風を確保する「はっぽう(2)」と呼ばれる特徴的な開口を持つ茅葺き屋根が造られました。私が朝日村の大網(下村、中村)を訪ねたのは1980年の8月13日のことでした。民家好きとして是非訪ねたいところだったのです。1日に何本もないバスを利用しての旅でした。(1) 

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妻側はかぶと造り

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風返しを訛って「けえじ」と言われる棟端飾りと高はっぽう。 このような屋根の造形は「すばらしい!」と言う他ありません。

芥川賞を受賞した『月山』という小説は出羽三山の1座、月山の麓の山村が舞台でした。映画化されて、このような茅葺き屋根の民家の冬のシーンを記憶しています。

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この辺りは全国でも有数の豪雪地帯です。外壁に雪囲いの骨組み(ボケと呼ばれるようです)を夏季でもそのまま残してありました。


○ 先日いただいたプリンさんのコメントを受けて旧朝日村の茅葺き屋根の民家を再掲しました。