透明タペストリー

本や建築、火の見櫓、マンホール蓋など様々なものを素材に織り上げるタペストリー

575 あ、あった! 松川村の火の見櫓

2015-10-06 | A 火の見櫓っておもしろい

 ネット上に「塔マップ」という便利なサイトがあり、そこに全国各地の火の見櫓がプロットされている(この火の見櫓も載っている)から、そこで所在を確認してから出かければ、確実に見つかるから効率もよい。ただし撤去済み、ということもあるが・・・。

既に書いたことだが、私は県外に出かけるときなどを除き、そのサイトでの下調べはほとんどしていない。火の見櫓を見つけたときの喜びを味わいたいのだ。 

「あ、あった!」この瞬間がとても嬉しい。この感動が失せてきたら、火の見櫓探し、火の見櫓観察は続かないと思う。

先日同僚と松川村を車で通っていて、この火の見櫓を見つけた。その時も「あ、あった!」と心の中で叫んだ。で、改めて4日の日曜日に出かけたという次第。


575 北安曇郡松川村南神戸にて 撮影日151004

櫓は上方に向かって徐々に細くなっていく。櫓の美しさの基本はこの緩やかなカーブ。直線的に逓減している櫓もあるが、やはり曲線的な逓減の方が好ましい。



櫓に対して見張り台と屋根が偏心している。この理由は消防団員の立ちスペースの確保、ということ。床の穴を梯子が貫通している。その横に消防団員が立って(あるいはしゃがんで)半鐘を叩くスペースを確保するためと断じていいのかどうか・・・。半鐘を吊り下げる位置は叩きやすさを考慮してのこと、理解してよいだろう。夜間に備えて照明もついている。

以前、ラジオの生番組で火の見櫓の魅力について語る機会があったが、その時に形の特徴を言葉で説明することは難しい、と感じた。でも、既にこのような屋根の形をアサガオを伏せたような形、とブログに書いていたから、すぐに浮かんで、説明することができた。

見張り台の手すりに消火ホースを乾燥させるために掛けるフックが付いている。火の見櫓は消火ホース乾燥塔でもあるのだ。防災行政無線のスピーカーを設置している場合もある。



脚元。きれいなアーチを描く部材が使われている。残念なことに、脚の下端部が単材だ。基礎のコンクリート面までトラスが伸びていることが望ましい。見た目にも、構造的にも。

消防信号板は見張り台に設置する方が、消防団員は助かるはず。表示板に示された半鐘の叩き方(消防法によって決められている)を見ながら叩くことができるから。

分団詰所の正面側から写真を撮りたかったが、逆光で上手く撮ることができなかった。午後に出かければ良かった。だが、時間調整は難しい・・・。


まだまだ火の見櫓探し、火の見櫓観察は続きそうだ。