透明タペストリー

本や建築、火の見櫓、マンホール蓋など様々なものを素材に織り上げるタペストリー

小嶋三樹展「閑寂幽玄」

2016-07-24 | A あれこれ

 浅間温泉の奥まったところにある「手仕事扱い処 ゆこもり」は湯治場だった木造の家屋をほとんどそのままギャラリーとし、個性的な作品を展示している。ここで7月末まで開催されている小嶋三樹展『閑寂幽玄』を鑑賞した。



和紙にプリントして掛け軸に仕立てられた何点かの滝の作品が床の間を中心に展示されている。細密に描かれた水墨画のようだ、というのが第一印象。永い時の蓄積を感じるこの和室はこれらの作品の展示空間として実にふさわしい。



何本もの極々細い白糸から成る滝。不思議なことに滝の音は感じない、聞こえてこない。静寂の世界。しばらく作品と対峙していると、滝がその存在を、その生命をこちらに訴えていると感じてくる。

滝の周囲の豊かな色を消去して光だけに純化し、その濃淡によって対象の「存在」を表現している。写真の
本来の意味もここにあるのだと思う。写真ではなく、フォトグラフ。

以前このブログに**フォトグラフを直訳すると「光画」になるだろうか。写真と訳したところに日本人の西洋の技術に対する驚きと冷静さを失っていた姿を見る思いがする。**と書いた。(過去ログ)

作品に近づいてみると闇に見えるところにも存在を主張する対象が写っている。対象を光だけで表現するという作家の意思もそこに感じる。写真とは何かという問いに対する明確な答えも。



写真家の小嶋さんにとって、風景を切り撮ることは創作の始まりにすぎないのだろう。そこからものが生命の証として自ら発する光、このイメージの表現に向けて創作しているのであろう・・・。


 写真撮影可とのことだったので何枚か撮らせていただいた。


82、83 手仕事扱い処 ゆこもりで

2016-07-24 | C 名刺 今日の1枚

82枚目 写真家・小嶋三樹さん 

手仕事処ゆこもりの展示会場で名刺交換をした。プライベート名刺を渡すのは久しぶりだ。

存在の証として対象そのものが自ら放つ光、周りのものの光との関係性によって際立つその存在感の表現。小嶋さんの作品のテーマを私はこのように理解した。

このような目で作品を見ると、ニュージーランドの混沌とした密林の中(*)にも、東京は夢の島の夜景からも光によって秩序づけられた全く別の世界が見えてくる・・・。闇の中でわずかに見えるもの、微妙な光のニュアンスを表現することへのこだわりを感じた。

*会場に展示されていない作品も小嶋さんから特別に見せていただいた。

*****

83枚目 ゆこもり 瀧沢さん 

ゆこもりの瀧沢さんとも初対面だった。気さくな方で、会場でギャラリーや作品の紹介をしていただいた。

今後興味深い作品展が開催されているときには訪れたい。場所が分かったから、次回からは迷わずに行くことができる。


 


塩尻市宗賀牧野のマンホール蓋

2016-07-24 | B 地面の蓋っておもしろい





 塩尻市宗賀牧野にて 撮影日160724

塩尻市にいくつかある(まだいくつあるのか調べていない)農集排のうちのひとつ、宗賀南部地区農集排のマンホール蓋。

周りにカタクリの花をぐるっと中心に向けて配している。円を意識してデザインしているところが好ましい。その内側の円の中にそば畑をパースペクティブにデザインしている。宗賀本山地区はそば切り発祥の地と言われている。後方の山並みは北アルプスをデザインしたのだろうが、山の名前までは分からない。


後方に写っている火の見櫓は向かいにある詰所の建て替えに伴い撤去され、上部のみ残されたもの。


辰野町横川のマンホール蓋

2016-07-24 | B 地面の蓋っておもしろい




撮影日160718

◎ 辰野町横川には道路沿いに何基か火の見櫓が立っている。櫓と蓋のツーショットが撮れそうなところがあるので、伊那方面の櫓と蓋巡りの帰路、立ち寄ってみた。

下の写真は川島小学校グラウンドの横の道路で撮った。マンホールが大きく撮れた。上下逆でなければいいのだが、そこまで条件はなかなか整わないだろう。





640 南箕輪村神子柴の火の見櫓

2016-07-24 | A 火の見櫓っておもしろい


640 南箕輪村神子柴 撮影日160718 

 伊那からさらに北上、南箕輪村まで戻ったところで、この火の見櫓に遭遇した。幹線道路沿いという立地もあってか、存在感のある火の見櫓だ。見張り台のところに消火ホースを巻き上げるウインチや使途不明の横材(アングル)、スピーカー、アンテナ、避雷針
が設置してあり、ごちゃごちゃしているのは残念。手すり子もすっきりしていない。でも姿・形は美しい部類に入る火の見櫓だと思う。





この写真で屋根下の様子が分かる。4本の柱材に対角に水平部材を設置し、その交差部に半鐘に替わるモーターサイレンを設置している。反りのついた方形の屋根、下り棟の下地材の平鋼の先を伸ばし、曲げて蕨手にしている。柱上部にアーチ状に部材を設置し、構造に配慮している。



この櫓も脚部の1面だけ、脚という設えをしているが、他の面はリング式ターンバックル付きの丸鋼ブレースで済ませている。脚がきちんとあってこその櫓だと思っている私からすると、この処理は残念。



屯所のシャッターにはまといを持つ消防団員の姿が描かれている。