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■ 久しぶりの時代小説。読み始めたのは『本所おけら長屋』畠山健二/PHP文芸文庫 第1巻。
このシリーズは12巻まで出ている(19年12月現在)。第1巻には7編の短編が収録されている。タイトルは皆ひらがな4文字。第一話の「だいくま」は大工の熊五郎が騒動を起こす話で、落語のよう。
畠山健二さん作品を読むのは初めてだが、自在な文章運びに書き慣れているという印象を受けた。巻末のプロフィールによると演芸の台本執筆や演出をしているという。このプロフィールを読んで納得した。
続けて全巻読むのかどうか、自分でも分からない。これから読みたい新書が見つかるかどうか・・・。読みたい新書が見つからなければ、このシリーズが年越し本になるかもしれない。
△ 表通りから表店の裏側に入る小道に面して平屋建ての裏店が並ぶ(深川江戸資料館にて 以下同じ)。
井戸や便所、ごみ溜めなどは共同。資料館で入手した資料(資料館ノート第114号 H28年3月16日発行)によると、文政11年(1828年)には江戸の平均的な店借率(長屋住まいの借家人)は約70パーセントだったという。深川地域では82.5パーセントで、江戸市中で最も高い割合だったそうだ。
△ 6帖(間口1間半、奥行2間)の大きさ。簡素な暮らしぶりが窺える。本所おけら長屋もこんな様子だろう。島田鉄斎も松吉も熊五郎もみんなこういうところで暮らしているのだなぁ。